
9月になっても暑さが衰えませんが、
それでも虫の音が聞こえたり、
少しずつ秋の気配が感じられます。
今月から北海道函館にお住まいの高島昌彦さんが、
初めて俳句を寄せてくださいました。
北海道から九州、四国と
オンラインならではの俳句会が楽しみです。
俳句を作っていくと、小さな発見に感動したり、
命の営みの輝きに出会うことで、
人生の豊かさを深めていくことができます。
同じ時間空間を過ごしていても、
見つけられない美しいものがあるとしたら、
それは残念です。
月に1回の俳句会を、
日常生活の小さなきらめきを見つける
大切な機会にしていきたいです。
金藏院葉子の俳句
風を恋い誘ふ風情や秋の草
秋草や怠ってゐる庭手入
蜻蛉飛ぶ空気の少し澄んで来し
満月や夜景も我も見下ろされ 昌彦
夏暁や明けの明星あえかなる
君思ふ入道雲や吾に似たり
新涼を求め疎水の夕散歩 春風
朝発生即上陸や大野分
帰り道鈴虫の音のリズミカル
夕さりて川辺に響く虫の声 夢湧子
◯狂言に果てて打ち上げ秋の夜
台風や遅れる列車混むホーム
鈴虫の音の鳴り響く静かな夜 由華
慌てゐる蜻蛉を逃すガラス塀
野に出でし子供の上をとんぼ舞ふ
◯新涼や吾子の背丈のぐんと伸び 祐子
◎万博を意のままに飛ぶ蜻蛉かな
野分来て強制終了さるる街
雨降らぬまま刈られたる稲穂かな 恵子
早朝の散歩野分の気配して
蜻蛉の目玉くるくる指の先
◯初秋や新作能の京の夜 愛子
◯蝉の声聞き分け歩く古参道
◯野分来て家族の揃ふ夕餉かな
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