金蔵院葉子の狂言の舞台を観に行こう!

狂言は650年前の喜劇です。
人間の本質的な面白さを慈愛を込めて演じます。
現代でも通用する上司、部下のやりとりなど、庶民の日常のあるあるネタを笑いながらご覧ください。

2024年1月13日(土)大阪大槻能楽堂にて
金藏院葉子の狂言「素袍落」
無料でどなたでもご覧いただきますので、ぜひお気軽にお越しください。

「素袍落(すおうおとし)」あらすじ

伊勢参りを思い立った主人は、かねてより参詣希望のあった伯父を誘うため、召使(太郎冠者)をお使いに出します。

伯父には生憎先約があって同行は出来ないものの、折角訪ねて来た太郎冠者に対して門出の祝いと酒を振舞い、自分の代参を頼んで引出物の素袍を託します。

振舞われるままにすっかり酔いの回った太郎冠者は、やがて支離滅裂な状態となって、慈悲深い伯父を褒め、けちな自分の主人をけなして気炎をあげます。

そのうえ祝儀に素袍までもらっていっそう機嫌よく、小歌交じりに帰途に着きます。あまり帰りが遅いので途中まで迎えにきた主人はこの様子を見て苦りきって、冠者がつい取り落とした素袍を拾うと、2人の機嫌は逆になります。

素袍袴の出立ちは中世の正装・礼装を表し、伊勢参拝は全国各地から今も昔も変わらぬ信仰を仰いで、殊に当時遠方の集落では籤引きを用いて地区を代表し、参拝者を決める《伊勢講》《伊勢代参》と呼ばれる風習もありました。伊勢詣という目出度い行事を背景に持つ事から、正月などに上演する祝言曲として取り上げられる事も多い演目です。
また「千鳥」「寝音曲」「棒縛」など酒にまつわるエピソードは、狂言を代表するテーマの一つですが、中でも本曲は、徐々に酩酊していく太郎冠者の演技が重要な見せどころとなっています。

2023年3月パリサンジェルマンシアターにおいて、3回目の狂言舞台の様子です

狂言「千鳥」(パリ、サンジェルマン シアターに於いて)

主人の言いつけで、祭りに必要な酒を買いに行かされた太郎冠者(金藏院葉子)。お酒のツケがたまりにたまっているから、きっとお酒は売ってもらえないだろうと言う太郎冠者に対して、主人は「また、いつものように言いくるめて酒を受け取ってこい」と言い付ける。

仕方なく、酒屋へ行った太郎冠者は、たまっていたツケを返す為に、米が山から牛に乗せて届くからその米で支払うので、酒をくれとでまかせを言って頼むが、酒屋は「この目で米を確認してから」と譲らない。
色々うまく言いくるめ、酒屋が折れて、酒を持参した酒樽に入れてくれたが、支払の米が届いて確認できるまで持って行くなと手放さない。
なんとかしてごまかして酒樽を持ち帰りたい太郎冠者。

そこで、面白いからと言って、津島祭に行った時の話を始める。
途中の伊勢路で子供たちが千鳥を被せ捕っている様子が面白かったので、それを再現して見せようと持ちかける。
酒樽を千鳥に見立てて捕る真似をして、子供たちが囃して歌う「ちりち~りや、ち~りちりぃ~」を歌う。
囃しながら、少しずつ酒樽に近づき、酒樽を持ち帰ろうとする度に酒屋に「太郎冠者、なにをする」と見つかり、あえなく失敗。
今度は祭の山鉾を引く様子を見せようと言い、山鉾に見立てた酒樽を引く真似をしながら持ち去ろうとするも、これも制止されてしまう。
そこで、今度は流鏑馬(走る馬に騎乗したまま矢を射る神事)のマネをしてみようと持ちかけ、太郎冠者が射手になり馬に乗るマネをし、酒屋が扇を持って的の役をすることに。
そこで、矢が的に当ったとして酒屋に体当たりをし、酒屋が転がった隙に、まんまと酒樽を持ち帰る事に成功する。
酒屋と太郎冠者は、旧知の間柄で、かけひきといいながらも、頭脳バトル!というのではなくて、仲の良い二人が勝負をしているような、あたたかい雰囲気が全体を包んでいるのが、この狂言のポイント。
なお、演目名となっている「千鳥」は、太郎冠者が祭りの内容を語る最初に出てくる謡に由来する。

2019年2月パリにて2回目の狂言舞台の様子です

200人近い一般のフランスのお客様にご覧いただきました。

これまでの舞台の狂言動画

金藏院葉子の狂言「宗論」2022年1月30日

宗旨の違うお坊さん2人が、偶然道連れになってお互いの宗旨の良さを主張し合う面白い大曲です。

旅の途中でふと道連れとなった法華僧と浄土僧(金藏院葉子)。堅物の法華僧に対して、ちょっと揶揄うお調子者の浄土僧。お互いの宗旨の方が優れていることを主張して宗論をすることになりました。お互いに自説を譲らず主張するのですが、そもそも2人とも間違えて自分の宗旨を理解しているので、本来の意図を食べ物のことと思い違えて熱弁し笑えます。やがて、法華僧は題目、浄土僧は念仏を唱え始め、両者とも夢中になって唱えているうちに、法華僧は浄土宗の念仏、浄土僧は法華宗の題目を取り違えて唱えてしまいます。
食うことばっかり言う宗論、ドタバタした挙句、お互いの大事な念仏と題目を取り間違える、という、間延びするところが一切ない出家物の傑作です。
「法華も」「弥陀も」「隔てはあらじ」と締める終わり方も、落ちるべきところに落ちているという納得の終結です。

金蔵院葉子の狂言「簸屑」(ひくず) 2020年

お屋敷奉公している太郎冠者(金藏院葉子)は、主人に、「供養の接待のために、お茶会で使ったお茶の屑を臼で挽いて準備しておけ」と命令を受けます。 いやいやながら臼でお茶を挽いているうち、単調な仕事にどんどん眠たくなってしまう太郎冠者。 眠りながら臼を挽いているところに、朋輩の次郎冠者が登場。 太郎冠者がこれ以上眠らぬようにと、次郎冠者がお話を聞かせたり、小舞を踊って見せたりしているうちに、ついに太郎冠者が寝込んでしまいます。 揺すっても起きない太郎冠者に、腹を立てた次郎冠者は一計を思いつきます。 それは、こっそり、太郎冠者の顔に鬼の面を被せてしまうこと。 やがて、目を覚ました太郎冠者は自分が鬼の面を被らされていることに気づかず、外出から戻ってきた主人を迎えに出ます。 鬼に迎えられた主人はびっくりして、鬼を追い出そうとしますが、自分が鬼に見えているとは気づいていない太郎冠者は、なぜ主人に追い出されるのか訳がわかりません。 そして、自分がなぜ主人に鬼呼ばわりされているのか知るために、次郎冠者に、水の入った器に自分の顔を写す水鏡を見せてもらうことにします。 そこで水鏡に写った自分の顔が鬼になっていることに大ショック。 こんな浅ましい姿になったのは何の因果かわからないけれども、このまま屋敷に置いてほしいと主人に懇願する太郎冠者。 主人に見捨てられ、ついには、次郎冠者にすがるも投げ飛ばされてしまいます。 しかし、投げ飛ばされたおかげで、鬼の面が取れ、まさかの次郎冠者の仕業と判明。 次郎冠者の逃げる後を追いながら終わります。 この演目は大変珍しい演目で、プロの舞台でもほとんど演じられることがない貴重な作品です。 居眠りしながら臼を挽く太郎冠者も可愛いですが、次郎冠者が、小舞を謳いながら舞うところも楽しい演目です。 使用する鬼の面は、師匠の小笠原先生の手になる作品です。

金藏院葉子の狂言「鈍太郎」2019年

3年ほど京の都を離れ仕事で成功を収めた鈍太郎(金藏院葉子)が、妻子のいる京都に意気揚々と帰ってきました。しかしながら、3年も放ったらかしにされた妻は怒って、もうべつの別の男性と一緒にいるからと門前払いを食わせます。ショックを受けた鈍太郎でしたが、実は美人のお妾さんが別に居るので、気をとり直してそちらに廻ります。ところが、お妾さんも放ったらかしにされたことを恨んで、すでに別の男性と居るのでとこちらでも門前払い。両方から袖にされた鈍太郎は、ショックから出家することにしてしまいます。実は、妻もお妾さんも放ったらかしの腹いせに嘘をついていただけだったので、二人は鈍太郎を取り戻しにやって来ます。妻とお妾さんと両方への往き来も双方に認めさせ、最後は妻とお妾さんの手ぐるまに乗って帰っていきます。金藏院葉子が鈍太郎役を、妻とお妾さんを男性の狂言師が演じる男女配役逆転の面白い演目です。おふたりの狂言師の手ぐるまに乗るのは、ちょっと怖いような楽しみなような(^^)

金蔵院葉子の狂言「仏師」2018年

田舎者が京都にやって来て、素晴らしい仏像を買いたいと仏師を探しています。
詐欺師(金蔵院葉子)は騙しやすそうな田舎者に、自分は由緒正しき仏師だと名乗りでます。
自分は沢山の弟子が作ったパーツをニカワで仏像に仕立てる親方だと言い、明日には仏像を渡すので、大金を用意するように言い渡します。
翌日、田舎者が仏像を見ると、変な姿勢の仏像が置いてあります。
実は、この仏像は詐欺師が成りすましている生身の仏像でした。
ニカワが温かいうちは、変な姿勢を直せると言って何回か直しているうちに、仏像が詐欺師本人とバレて怒られます。
詐欺師が仏像に成る時に、面を被って変身するところはドタバタで面白いです。

金蔵院葉子の狂言「狐塚」2017年

怖がりの太郎冠者(金蔵院葉子)は、実った稲の収穫前に、田圃が鳥に狙われないよう田圃の見張りを言い付けられます。
田圃のある場所は、狐塚といって、狐に化かされると噂のあるところ。
怖がりながら、田圃を見張っているうちに夜になってしまいます。
心配した同僚の次郎冠者や上司が見舞いにやって来てくれたのに、彼らはてっきり狐が化けて出て来たと思い込み、上司と同僚を鳴子の付いた縄で縛りあげます。
挙げ句の果てに、上司と次郎冠者の化けの皮を剥がそうとして怒られてしまいます。
怖がりながら、懸命に仕事をする太郎冠者が可愛いです(≧∇≦)

金蔵院葉子の狂言「清水」2017年パリ公演

雇い主から茶会用の水を「清水」という場所へ出向き汲んでくるように言付かった太郎冠者は、こき使われることにウンザリして、水汲みをサボるアイデアを思いつきます。
清水に出かけた時に恐ろしい鬼に襲われて逃げ帰ったと報告することで水汲みをサボれたと思いきや、雇い主は鬼に奪われたということになっている水汲み桶を取り返しに「清水」に行くと言い張ります。
鬼など出るはずもないので、慌てた太郎冠者は鬼の面を被って雇い主を脅します。
脅されて這々の体で逃げ帰った雇い主は、太郎冠者の声と鬼の声が同じだったと気づき、確かめに再び清水へ出かけて太郎冠者の化けの皮を剥がします。
鬼の面を被って雇用待遇アップを狙う太郎冠者が面白いです。

金蔵院葉子の狂言「呂蓮」2015年

諸国を巡る僧侶がたまたま泊めてもらったお宅で説法したところ、感激した亭主が
その場で出家宣言。
即刻、髪を剃って僧侶の名前を付けてもらうことにしたものの、気にいった名前が
なかなか決まりません。
そうこうしている内に、奥方に見つかり、大ごとに・・・・・。

金蔵院葉子の狂言「佐渡狐」2013年

佐渡のお百姓が、年貢を納めに役所へ行くと、他所の百姓から「佐渡には狐がいない」と
バカにされて「狐はいる」と言ってしまいます。
本当は、佐渡には狐が居ない!
見たこともない狐について語るため、ワイロを渡した役人に合図を送ってもらってしのいでいるうちにやがてボロが出て・・・・。

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