2006年11月
『系観瞑想』
・・・成瀬 雅春 先生 
瞑想は内面の心理状態を扱うため、客観的評価ができず今ひとつ何がどうなのかよくわからない、とよく言われます。そこで今回の上質人生大学では待望の 「系観瞑想講座」 をご案内することとなりました。
今回ご指導頂く成瀬先生は 上質人生大学公開講座 にて 「倍音声明」 をシリーズで行われているお馴染みの先生で、その成瀬先生が長年追求し辿り着かれた究極の瞑想法が 「系観瞑想」 なのであります。
この瞑想法は古今東西、数ある瞑想法を遥かに凌駕する内容と整理されたシステムによって、体験者を着実に深い瞑想へと誘います。まさに成瀬先生が修行を行うために毎年訪れている、氷河と岩壁に囲まれたヒマラヤ・ガンジス河源流にあるゴームク(標高4000m付近)での厳しい瞑想体験によって生み出された究極の瞑想法といっても過言ではない、この 「系観瞑想」 の一端をどうぞ本レポートにてご体験下さい。

【 成瀬 雅春 (なるせ まさはる) 先生 】
ヨーガ行者、ヨーガ指導者。 12歳頃に「即身成仏」願望が生じ、今日までハタ・ヨーガを中心に独自の修行を続けている。1976年からヨーガ指導を始め、1977年2月の初渡印以来、インド、チベット、モンゴル、ブータンなどを数10回訪れている。
『サンデー毎日』 (1983年5月1日号)のグラビアに「驚異の空中浮揚術」として8枚連続写真が掲載され一般に知られるようになった。さらに『週刊文春』(1988年4月21日号)に「空中大浮揚」として地上1メートルを超える写真が掲載された。空中浮揚以外にもシャクティチャーラニー・ムドラー(クンダリニー覚醒技法)や心臓の鼓動を止める呼吸法、ルンゴム(空中歩行)、系観瞑想法などを独学で体得している。2001年、全インド密教協会からヨーギーラージ(ヨーガ行者の王)の称号を授与される。アーカーシャ・ギリ(虚空行者)という修行名で毎年標高4000mのヒマラヤで修行を続けている。
成瀬ヨーガグループ主宰。倍音声明協会会長。日本書経画協会理事長。朝日カルチャーセンター講師。
【 主要著書 】
『キレイをつくるらくちんヨーガ』
『 50歳からはじめるらくちんヨーガ』
『オフィスでもできるらくちんヨーガ』
『からだのお悩み解決!らくちんヨーガ』
『仕事力を UPする!らくちんヨーガ』
『ふたりではじめるらくちんヨーガ』(以上、中央アート出版社)
『ハタ・ヨーガ』
『呼吸法の極意 ゆっくり吐くこと』
『クンダリニー・ヨーガ』 (以上、BABジャパン)
『仕事力を 10倍高めるヨーガトレーニング』
『仕事力を 10倍高める呼吸法トレーニング』
『仕事力を 10倍高める瞑想トレーニング』(以上、PHP研究所)
『 5分でできるスッキリ瞑想法』(日本実業出版社)など他多数。
【 主要ビデオ&DVD 】
『ハタ・ヨーガエクササイズ』
『ハタ・ヨーガアドバンス』
『ヨーガ呼吸法上巻・下巻』 (以上、BABジャパン)
『気持ち良くタバコがやめられる』(キュアー) など他多数。

「みなさん、こんにちは」 会場の皆さんにに挨拶をされた成瀬先生は、いきなり次のようにおっしゃいました。
「この中で瞑想って何?という質問に答えられる人はおられますか?」 唐突な質問に会場は苦笑いです。 「おられたらココにはいらっしゃいませんよね(笑)」

「そうなんです。瞑想について考えたとき “何だかわからないがホワ〜ンとした良い気持ち” などというイメージを持たれる方はきっとたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。しかし実は、瞑想というものはそれとはまったく逆方向にあるものなので、つまり “なんだかわからないもの” ではなく “色々なことがドンドンわかってくる” そういう類のものなのです。
その中でも瞑想を深めることによって特に理解の進む対象はやはり自分自身であろうかと思うのですが、その一方で最後の最後までわからない対象も自分自身だったりします。そしてそのようなことに思いをめぐらすときは ”瞑想とはなんと複雑、且つ奥深いものか” とつい考えてしまうのです(笑)」 と、まずは “瞑想” について大まかな定義をされる成瀬先生。
「“わかる” ということは “整理してゆく” ということです。それは読みたい本をサッと手にできるかどうかは本棚がどの程度整理されているかどうかで決まるように、人生で最も大切な選択を迫られた場合、いかに自身の内面にある必要且つ的確な情報や判断を取り出せるかは己が自身をどれだけ知っているかにかかっているのです。そしてその “知る(識る)” 作業そのものが瞑想である、ということなのです」

上記のように瞑想を概念として説明された成瀬先生は、ここで系観瞑想についての具体的な説明を始められました。
「系観瞑想に至るには 4つの瞑想段階があり、それに加えて4つの瞑想法と3つのテクニックがそれぞれの段階に存在します。まず一つ目の瞑想段階が “我識瞑想” で、これは己を可能な限り認識することであり、二つ目の “系識瞑想” で自分が瞑想しようとするスペースの認識を行います。三つ目の “系越瞑想” の段階で、自分が認識している系を越える認識範囲の境界線の曖昧(あいまい)さをなくし、そして最終的に “系観瞑想” で “宇宙の全てを知ることにより自分の全てを知る” に到るのであります。
さらに各段階に第一系観瞑想(我と一つの点(簡単に対象の裏に回りこめる)の関係)、第二系観瞑想(我と面(対象の裏には簡単に回りこむことができない)との関係)、第三系観瞑想(我と地球(対象の裏に回りこめない))、第四系観瞑想(我と全宇宙)があり、各瞑想テクニックを駆使しながらステップ・バイ・ステップで次の瞑想段階に昇華してゆくのですが、その各昇華過程においても直線テクニック(対象〜直線に限定)、視野テクニック(対象〜視野範囲に限定)、全方向テクニック(対象〜全方向)といったテクニカルアプローチが存在するのです」

このようにおっしゃられた成瀬先生ですが、会場内の様子としてはなかなか理解し難い雰囲気です。そこで成瀬先生は全参加者を三人一組(男女混合が絶対条件)とし、各グループに一枚の問題用紙を配られました。そこに書かれていたのは意外なことに時間の長さを系列別に並べる問題。そうこうしている内に会場内のあちらこちらでカンカンガクガクの議論、検討が起き始めましたが、各グループともなかなか正解まで辿り着くことができません。そこで成瀬先生は一息ついたところで、時間の長さを組み合わせた問題を解く真意について次のように説明されました。
「大切なのは頭の中に漠然とある情報や知識をしっかりと正しく認識して整理することなのです。瞑想と時間の長さは一見関係ないように思えますが、頭の中を整理する訓練としては単純ですが時間の長さを計って系列別に並べるこの問題が非常に役に立つのです」

講義が続き、若干ヒートアップ気味の会場に向かって 「いつまでも理論先行では疲れるばかりですから、今から実際に瞑想を体験していただくことに致しましょう」 と成瀬先生が声をかけられました。
「まずは首をひねって自分の周りを見てみましょう。目を見開いてどこからどこまで見渡すことができますか」 会場内で各参加者が周囲を見回します。
「当然のことながら、今、皆さんが見ているものは瞑想でも何でもありません。瞑想とは ”見えないモノをどれだけリアルに実感することができるかどうか” なのです。では目を開け閉じどちらでも構いませんので、向かい合っている相手の見えない背中を動かずにその場で認識してみてください(系識瞑想・系越瞑想)」 実際に瞑想の実施体験が始まると、会場内にはシンとした時間が流れます。
「次にご自身の耳の裏を感じてみてください。さらに右手は閉じて、左手を開いてみてください。そしてそのまま目を閉じて意識の中でご自身の手の形を認識してみてください。これは自分自身を認識する概念を養う訓練です。次に閉じていた右手を開いて胸に当ててみてください。心臓の鼓動を感じられると思いますが、その鼓動によって心臓そのものを認識してください。そして手を元の位置に戻し、改めて心臓そのものをイメージしてみてください。どうですか、心臓の鼓動を再認識することができますか(我識瞑想)」
「もう一度目を閉じてください。何も見えない中、声を頼りにまぶたの裏で私(成瀬先生)を見てください。まぶたの裏に何が見えるかを見据えることは、瞑想を行う上で大変重要なことであります。空間に立つ私の表裏を見れば第一系観瞑想(系識瞑想)となり、壁に寄り添う私を壁ごと見通して表裏を見るならば第二系観瞑想(系越瞑想)となりますので、どちらの瞑想を行うかはご自身でお決めください」
「目を閉じたまま両手のひらでまぶたを覆い、手のひらの感触を認識してください。次に手のひらをひざに戻し、その状態で手首より先の手のひらを我識瞑想してみてください」
「 3人一組のまま一人は目を閉じて、残り二人が交互に声をかけて手を差し出してください。目をつぶった人は差し出された手が何本指であるかを感じてみてください。正解、不正解は問題ではありません。その指し出された指のオーラを感じることが重要なのです(系越瞑想)」
など、ここまで表記した以外にも数々の瞑想訓練をじっくりと時間をかけて会場指導された成瀬先生は、講座終盤にさしかかると会場のみなさんに対し次のように声をかけられました。

「ここからは今まで行ってきた相手(対象物)に対する瞑想訓練ではなく、自分自身を見る訓練を行うことに致しましょう。
まず目を閉じてまぶたの裏に映るご自身の身体を天井から見下ろしてください。次は背中まで降りて身体の後ろを見てください。そしてその高さのまま身体の右側に回りこみ、次いで同じく左側に回りこんでみてください。そこからさらに下に降りると今度は身体の下、足元からご自身を見上げてみましょう。最後は身体の全方位から好きなようにご自身を見る練習をしてみてください ・・・・・ どうでしょうか、ご自身の身体の全方位に意識を巡らすことができましたでしょうか。
では最後にもう一度、目を閉じたまま正面の相手を見てください。次に相手の背中を見ます。壁の向こう側からも相手を見通してください。それができればゆっくりと対象から離れて、ご自身そのものをあらゆる方向から見回してみてください。近くからも遠くからも、そして宇宙の果てからも細胞の中からもご自身を見つめ続けてください…」

今回の講座は 4時間という長丁場でしたが、最後の最後まで会場の緊張感が途切れることなく充実した瞑想体験を実施することができました。これも成瀬先生のご指導の下、参加者の皆さんが真剣に瞑想に取り組んだ結果なのでありましょう。
そして終了予定時間も迫り、今回の系観瞑想の最後を締めくくるお話が成瀬先生から会場の皆さんに発せられました。
「瞑想とは最終的に宇宙の全てを知ることであり、その結果として自分の全てを知ることであります。今回の講義では何回も申し上げましたが “思う” だけではダメなのです。瞑想で宇宙の果てまで行ったのなら必ずそこまで行ったという実感を伴う体験をしてきてください。実際にそこにあるであろう質感を五感全てで味わいきってこそ本当の意味での瞑想といえるのです。
世間一般にいわれている “悟り” や “解脱” などは全て己を知ってこそ初めて得られる体験なのだ、ということを是非ご理解していただきたいと思います」

ホロンPBIでは忙しい毎日の中では中々感じることの出来ないような「感動」や「体験」を皆様に味わっていただけるよう、各界のさまざまな先生のお話をホロンPBI主催の「上質人生大学公開講座」を中心に今後も充実したラインナップで展開してゆきたいと考えております。 気軽な雰囲気の中で本当に気持ちの良い「体験」や「知識」に触れ合うチャンスなんてそうそうあるものではないですよね。これを機会に好奇心一杯の気持ちを鞄に詰めて、会場まで足をお運び頂ければ幸いと存じます。
スタッフ一同、皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。
それでは次回のホロンPBI主催の「上質人生大学公開講座」を楽しみにしていて下さいね。楽しいこと、不思議なこと、そしてあなたの人生にちょっとしたエッセンスを加えることが出来ること請け合いです。 どうぞご期待下さい。

【 特別付録 】
恒例となりました、成瀬先生の服装ワンポイントチェック!
今回の講座でも成瀬先生の服装にチェックすべきポイントを発見致しました。
↓ ココ
シックな色合いのグレーのシャツにキラリと光る小粋なボタン。実はコレ、万物を掌る陰陽をあらわした ”太極図” デザインのボタンなんですヨ。
オシャレ!

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