上質人生大学

特別講座レポート

2010年5月
【「快氣法」体験ワークショップ】
河野 智聖(こうの ちせい) 先生

 皆さん、こんにちわ。今回の上質人生特別講座は、「「快氣法」体験ワークショップ」の模様をお届けいたします。

 

 

 快氣法(かいきほう) 

 快氣法とは、伸びやあくび、寝返りといった無意識の運動を通して、体にある「こころよさ」・「気持ちよさ」といった『快感覚』を呼び起こし、心と体を整えるメソッドです。

 場所を選ばず、いつでもどこでも、年齢・性別を問わず誰でも行うことができます。また目的や症状に応じた様々なプログラムがあります。 

 

 私たちは普段デスクワークなどをやってくたびれた時に、「う~ん」と言って、胸を大きく挙げ背伸びをしたりしますが、その時とても気持ちよい感じ、快い感じを味わいますね。動物や赤ちゃんたちも、基本的にその「快い感覚」にしたがって動いています。

 実はこの「快い感覚」で心と体の調子を自分で整えているのです。

 

< 快氣法はどんな風にするの? >

 まずは大きく伸びをしたり、あくびをしたりしながら、気持ちよく全身を動かしてみましょう。

 一度動きが出てしまったら、ポカ~ンとして、快いように体に任せて動き、そしてその快さを全身に広げてゆくように動いてゆきます。これらの動きを導入にして体の状況に合わせたり、季節にあわせたりする様々なメソッドがあります。

 また、快氣法は「日経ヘルス」や「セラピスト」などの雑誌でも紹介され、「身心をひらく整体(ちくま文庫)」にも掲載されています。

 

 今回は米国認定NLPトレーナーの金蔵院葉子先生との対談を交えての講座となりました

 

 

 

i-kouno.jpg講師プロフィール

 河野 智聖(こうの ちせい) 先生

 武術と整体の融合から身を整える武術「やわらか心道」、快感覚で潜在能力を開発する「」、皮膚にやさしく触れるだけで姿勢が変わる「ニコニコタッチセラピー」などを創始し、心と体の講座を東京・大阪・名古屋で開催している。

 現在、東京渋谷に在住。

 

 

 

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河野:金蔵院 「では宜しくお願い致します」 河野先生、金蔵院先生が同時に挨拶されました。 

 

 

100517_kouno_01.jpg河野:「私は長年、身体の使い方について研究していますが、西洋と東洋の考え方の違いについては興味深いものがありますね。西洋は、足や手など、考え方の基本が「個」なんですが、東洋は全体をつながりとして身体をみるのですね」

 

 

金蔵院:「組織論としても同じですね」

 

 

河野:「そうですね。最終目的は同じですが、アプローチが違う、といった感じでしょうか。西洋は理論を習う、ですが、東洋は優れた天才、その人を習う。そういった違いもありますね」

 

 

河野:「人間には食べ物や色に対する感受性、というものがありますね。それを決めるのは最初に口にしたものや見たもの、つまり基準となる記憶ですね。いかにも人工的な原色のプラスチックのおもちゃに親しんだ赤ちゃんは、二十歳になったときの着物の柄選びが原色に偏る、といった話もあるそうです」

 

 

金蔵院:「基準があるから見分けることができるのですね」

 

 

河野:「はい。それに頭で見分ける良し悪しだけでなく、身体が感じる良し悪しもありますね。例えば、頭が疲れると甘いものが欲しくなりますよね。その時、白砂糖をなめると身体が傾きますが、黒糖やハチミツだとまっすぐ立つことができるのです。また、身体がねじれている人に精製した食塩をなめさせると、もっとねじれてしまいますが、岩塩だとねじれが直る、といった傾向もあるのです」

 

 

金蔵院:「興味深いですね」

 

 

河野:「同じ辛い食事でも、インドの辛さは身体を冷やします。一方、韓国の辛さは身体を温める。これはインドの暑い気候と韓国の寒い気功の違いから導き出した、身体と頭のコラボレーションによる人間の智恵といえるでしょうね」

 

 

金蔵院:「脳の中で何か起こっているのか。言語を含めて脳内のシステムはどうなっているのか。NLPは、そこを探求する姿勢から生み出された理論ですが、突き詰めると脳内で起きていることをアカデミックな言葉で説明するのは難しい。それなら行動で実践して結果を得よう、というところから発展したのですが、河野先生が実践されている「快氣法」も同じような側面があるのではないですか

 

 

河野:「そうですね。身体のことは知れば知るほど、理解するのが難しく思えてきます。金蔵院先生がおっしゃられたように、まず実践。そこから理解が始まる点では、脳内も身体内も同じだといえるでしょうね」

 

 

 

 

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100517_kouno_02.jpg河野:「日本人力という考え方があります。昔の日本人は帯で腰を締めていた。すると腰が立つ。これは姿勢だけではなく、観念にも影響を与えます。具体的には「思わず掃除をしたくなる」といったようなこと(笑)。元来、日本人が綺麗好きだという傾向には、このようなベースがあるのです」

 

 

金蔵院:「着物文化の賜物ですね

 

 

河野:「はい、その通りだと思います。腰帯と同じような効果が認められるものに “たすきがけ” や “はちまき” がありますが、身体を適度に締めることは身体の自由を制限するどころか、腰が立つことから身体的、精神的に大きな効用をもたらしてくれます。我々日本人が受け継いできた、この素晴らしい文化遺産をもう一度、見直したいものですね」

 

 

 

100517_kouno_03.jpg河野:「正座ってスゴイんですよ。両足を揃えて座ることによって左右の腰骨をまっすぐに整えるので、ねじれを補正し、背骨をまっすぐに立たせる働きがあるのです。これは腰帯を締めて土台がしっかりするのと同じ効果ですね。
 人間の腰骨の下部には尾骶骨(びていこつ)があり、そのまま背骨を登って脳に辿りつきます。つまり、腰と脳は繋がっているのです。脳の構成を大まかに整理すると左脳は理論的なこと、右脳は感覚的なことを司り、その下に野生的、霊的な感覚を司る脳幹があります。その脳幹が背骨とダイレクトに繋がっているという構造上、腰を安定させることが尾骶骨(腰)から背骨を伝って龍のように昇るエネルギーを生み、霊的な感覚、命の本質を研ぎ澄ますことに繋がるのです。
 ちなみに皆さんは、眠れないときなど頭の後ろに両手を組んでボーっとしませんか。あれは脳幹付近に手を当てて癒気(ゆき)を行い、眠りやすくしているんです。逆に、前頭葉は思考を司りますから、頭を使って悩んでいる時はおでこの部分に手を当てる仕草、いわゆる “頭を抱える” ポーズを取ってしまうのです。
本能で私たちが無意識にとる行動は、実に理にかなっているなぁと思います」

 

 

 

100517_kouno_04.jpg河野:「右手は、左脳と前頭葉を、左手は右脳と後頭葉を刺激します。後頭葉とはあまり聞きなれない言葉ですが、脳の後ろ側にあり視覚や色彩の認識を司る機能を持っているといわれ、左利きの人に芸術家が多いといわれる所以となっています。
 そして、霊的な感覚を司る脳幹に刺激を与えるのは両手を合わせること。つまり合掌です。ですから霊的な存在=神に祈る時に両手を合わせるポーズが東西の宗教を問わずスタンダードとなっているのは、人間の本能に沿った行動だったのですね。
 実際に合掌をすると分かりますが、尾骶骨から背骨がまっすぐに整いやすくなります。これと同じとことを正座で行ってきた日本の身体文化ってすごいんですよね。日本人が霊的な素養が高いといわれる理由のひとつは、昔の方々が腰を整え、背骨を立たせる生活システムを文化として構築してくれたからで、私たちはそのことに感謝し、その本質を未来に受け継いでいきたいと心から思いますね]

 

このように身体の使い方から日本人の本質に迫るお話をされた河野先生は、参加者に両手を広げる、上半身をねじる、呼吸のタイミングを整えるなどの指導を行い、専門である快気法の指導を行われました。

一通り身体を動かし終えた皆さんの、気持ち良さそうな表情が印象的でした。

 

 

 

100517_kouno_05.jpg河野:「快法は、身体を動かし、心地よい状態を味わう療法なので無の心になりやすい、といえます。つまり何も考えない状態を作り出すことが出来る、ということです。
 人間は、本能的に気持ちよくなろうとして生きていますので、「あー、気持ちいいなぁ」と思う方向に身体を自由に動かしてあげること、これが快法の基本的な考え方です。もっとも、「自由に動いていいよ」といわれても、感覚が研ぎ澄まされてくると、自由に動くことの難しさに気付きます。だからこそ、奥深くて興味が尽きないのですけれど(笑)
 快法を続けていくと究極的に、ただ座っているだけで「気持ちいい」と感じる瞬間がありますが、これは「禅」の境地と同じだと思います」

 

河野:「小さな子供がひとつのモノを取り合って喧嘩しているとき、その場を収める一番いい方法は “もっとよいものを見せる” です。子供は正直ですから、「そっちの方がいい」 と思えば、瞬間的に手放し、新しいものに飛びつきます。
 一方、私たち大人は、色々なことを頭で考えて良識ある行動をとろうとします。それは正しいことだと思いますが、往々にして心が求めているものと真逆の行動を伴ってしまい、自身の生きるべき道を見失うことに繋がりかねません。
 これからの時代は、そういった心や身体のねじれを解消し、文字通り “腰を正して生きる” ことの大切さがますます問われていくと思います。私も皆様方も、自身の心や身体が本当に求めていることに耳を傾ける、素直な姿勢で生きることを大切にしたいものですね。
 今日は本当にありがとうございました」

 

 

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ホロンPBIでは忙しい毎日の中では中々感じることの出来ないような「感動」や「体験」を皆様に味わっていただけるよう、各界のさまざまな先生のお話をホロンPBI主催の「上質人生大学公開講座」を中心に今後も充実したラインナップで展開してゆきたいと考えております。

気軽な雰囲気の中で本当に気持ちの良い「体験」や「知識」に触れ合うチャンスなんてそうそうあるものではないですよね。これを機会に好奇心一杯の気持ちを鞄に詰めて、会場まで足をお運び頂ければ幸いと存じます。

スタッフ一同、皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。

 

 

 

 

 それでは次回のホロンPBI主催の「上質人生大学公開講座」を楽しみにしていて下さいね。楽しいこと、不思議なこと、そしてあなたの人生にちょっとしたエッセンスを加えることが出来ること請け合いです。どうぞご期待下さい。