上質人生大学

特別講座レポート

2010年2月
播磨陰陽師講座 / ~ 夢の構造・実用編 ~
尾畑 雁多(おばた かりんど) 先生

 

 

 

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畑 雁多(おばた かりんど) 先生

 1960年、赤穂浪士の子孫としてこの世に生をうける。
 
先祖代々、赤穂武士の間に伝わっていた古式陰陽道を伝承する播磨陰陽師の末裔として、幼い頃より様々な霊体験を通して、一子相伝の秘術を習得する。
 古式陰陽道の伝承は、歴史的に「謎の集団」として知られる播磨陰陽師たちのもつ呪術・霊術から武術・戦略や武家の風習にいたるまでの多岐にわたるが、特に当家の伝承は、古くは物部の祭祀に起因する夢操り・夢伝え等の、独特な夢の世界に関する伝承と、その世界から現実に影響を与え変更すると伝わるノウハウを有する。

 

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100203_obata_01.jpg 「皆さんは、夢とはどういったものだと思われますか」

尾畑先生が会場のみなさんに問われます。

 「陰陽道が扱う分野のひとつに “夢” がありますが、特に播磨に伝わる播磨陰陽師にその傾向が強く出ています。
 夢は妄想や幻想だと考えられていますが、心ある生き物は夢の世界を心の中に持ち続けているものです。現実の世界で夢を見ない人はいません。ただ、夢の内容を覚えていないだけで、人は忘れてしまった夢の記憶に基づいて、日々、無意識の行動をとっているのです」

 「無意識の行動には身体の記憶に従うものと、潜在意識の記憶に従うものとがあります。身体には内臓と筋肉の2種類の記憶があり、内蔵の記憶からは食欲や性欲、睡眠欲などの基本的な欲望、筋肉の記憶からは物理的な身体の振舞いがもたらされます。
 一方、潜在意識の記憶には夢が関わっています。夢には記憶が整理される過程に見るものや、脳とは別の世界が見せる霊的なものもありますが、通常、夢は心の中にある記憶の糸のようなものがフラッシュ・バックを起こし、それをきっかけにストーリーを伴い作られるのです。そして記憶された夢は無意識レベルで行動に影響を与えます。
 
ただし多種多様の記憶の糸が、同時に影響を与えることはできません。例えば新聞を読んでいれば、新聞を読んでいた過去の記憶が心の中に蘇りますので、その他の記憶が再生されることはありません。そして再生された記憶が基となり、人は無意識の行動をとってしまうのです」

 

 

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ここで尾畑先生は、夢のルールについて説明されました。
 「夢の世界には幾つかのルールが存在しますので、今からそれを説明します。

① 夢には一定のサイクルがあります。そのサイクルを無視して夢を見ることはできません。

② 通常はストーリーのある夢のみ覚えることができます。ただしストーリーを伴わない夢も覚えることができれば、現実世界でもストーリーに無関係な物事を正確に覚えることができるようになります。

③ 記憶の糸に触発された夢は、現実世界の概念と相関関係にあります。夢と現実世界の概念どちらかが変化すれば、片方も変化します。

④ 人類に対する夢の全体量は決まっています。その量を超えて現実を変更することは出来ません。また、一人一人の夢量にも割り振りがあります。しかし他人の夢を奪う、または他人に夢を与えることにより個人の夢の割り振りは変更されます。

 夢の指導権を握った者が夢の世界の支配者となります。

 他人に夢を分け与えたり、現実世界で他人が夢や希望を抱く行為を行った人は夢の全体量が増やされます。

 他人に迷惑を及ぼす思考は夢の全体量を減少させます。

 感情のブレは悪夢や災いを生み出します。

 夢の記憶は目覚めから4時間以内に削除されます。

 夢の世界から持ち出せるのは記憶と概念だけですが、まれに肉体に怪我状の印が残ることがあります。

 夢の中で聞く、霊的な言葉の多くは真実ではありません。夢や霊的なものに誤魔化されないためには知恵が必要です。

 夢で死亡すると多くの場合目覚めます。霊的な夢を予感として捉えることが出来れば、その死を回避することが出来ます。

 夢での経験は現実世界のストレスを軽減させる働きがあります。

 睡眠時間を削って生きていると小さな虫のような幻覚を見始めます。その後、幻覚は複雑化し、最後は夢の世界の住人となってしまいます。

 夢の中は自在に動けません。また、「全て夢だ」と、認識出来るわけでもありません」

 

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100203_obata_03.jpg 「ルールを理解すれば夢を活用することができるようになります。夢を現実世界に役立てるには11の技法があります。

 夢操り(ゆめあやつり)
 
これは夢の技法の最も基本となるもので、意識で夢をコントロールする方法です。現実世界の大部分は夢と同じく無意識で動いているため、この技法は現実世界もコントロールする訓練となります。

 夢解き(ゆめとき)
 
過去や未来の記憶を読み出し、それを役立てる技法です。過去の記憶と接触するので古語に精通する必要がありますが、未来の不幸を予測、対応できる、などの利点があります。

 夢伝え(ゆめづたえ)
 
特定した人物と夢で通信する技法です。過去や未来の心を現実世界で役立てるのですが、霊符を使うものと、相手をイメージして行う2種類の方法があります。ここでいうイメージは「観想」と呼ばれ、古事記や大祓祝詞を読むことで訓練します。

 夢結び(ゆめむすび)
 
夢で会った人と縁を結ぶ技法です。他人と他人の縁を結んだり、自分と縁のある人を呼び寄せたりするのですが、これも霊符を使うものと、相手をイメージして行う2種類の方法があります。

 夢祓い(ゆめはらい)
 
夢で祓いを行い、現実世界で仕上げをする技法です。これには自分や他人の悪い夢を消し、人生を好転させる働きがあります。運を転じれば「運転」、運を動かすと「運動」と呼ばれます。

 夢取り(ゆめとり)
 
他人に夢を与え自分の夢を増やす、または他人の夢を奪い自分の夢に役立てる技法です。これは精神的な戦いそのものです。

 夢憑き(ゆめつき)
 
夢に憑依、支配させる技法で、催眠術の範疇に含まれます。人の心を読み、操る技術に精通する必要があります。

 夢仕え(ゆめつかえ)
 
夢の中で作り出した魔物を現実世界に移動させ使役する技法で、式神を使います。他に自分の人格を分離させ、役割を持たせて使いこなす方法もあります。

 夢消し(ゆめけし)
 
自分の夢に他人を巻き込む、あるいは他人の夢に入り込み夢ごと削除する技法で、呪法の一つに数えられ、人の心や人生そのものを奪います。

 夢依り(ゆめより)
 
夢の中で神に相当するものを呼び出す技法です。神を扱うには神道儀礼と祝詞に精通し、使いこなす技量が必要とされます。

 夢戯び(ゆめあそび)
 
夢の中で自在に遊び、現実世界の概念や自分を取り巻く環境を自在に変更する技法で、これにより神仙の境地に達するといわれています。

 

こういった霊術は90%が心理的、物理的な法則に、残り10%が人知の及ばない法則に支えられています。昔は12の技法があったとされますが、残念ながら長い年月の末に一つが失われ、現在は11の技法しか伝わっておりません。
 
これらの技法を活用するためには自分をしっかりと持ち、感情のブレをなくすことが重要です。無駄な力を抜き心が持つ力を自在に活用する、という基本が重要なのです」

 

  

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100203_obata_04.jpg ここまで夢活用の説明をされた尾畑先生は、続けて “伝承” の大切さを説明されました。
 
「夢の技法を使い、霊的な世界に関わると夢が変化し始めます。すると特殊な能力や、勘が鋭くなるなどの霊的な力が宿ります。しかし急激な変化は混乱をもたらし、一部の者は自分を見失います。このように変化を受け止め切れない者を、伝承では 「にわかに霊的な力を得た者」 という意味で 「ニワカモノ」 と呼んでいます」

 「霊的な力を得ると夢を忘れなくなります。次いで勘が鋭くなることから、いわゆる 「山勘」 が働き、思ったことが直ぐに実現しやすくなります。その結果、あらゆることを理解し尽くしたと考え 「自分こそが正しい」 と強く思うようになってきます。
 
しかし、それは大きな間違いです。
 
この世は 「ニワカモノ」 がある日、突然、理解できるほど単純なものではありません。信じられないくらい複雑怪奇な代物なのです。ですから、あなたがニワカモノにならないためにも陰陽師に出会って得られる力、そう、系統を大切にしてください。
 
系統とは長い歴史に培われ、現在に至るまで途絶えることなく続いてきた力そのものです。それ故に本物とニセモノを選別する力を育むことができたのです。
 
大切なことは、あなたが得た力も過去から未来へと繋がる、祖先たちの思いそのものなのだ、ということをお伝えして、本日の講座を締めくくらせていただきます」 

 夢の話の終わりに伴い、最後は尾畑先生による節分大祝詞にて今回の講座は締めくくられました。

  

 

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