2009年12月
こころ眠る
満仲 雄二(みつなか ゆうじ)先生
【講師プロフィール】
満仲 雄二(みつなか ゆうじ)先生
1970年代、イタリアで東西文化のアイデンティティ統合を目指し、結果、以心伝心をテーマとする。その後、熊野玉置山に 「自然の理」 を学び、環文化計画として事業が循環する 「環の仕組み」 による以心伝心システムを提案、開発。
21世紀型循環社会実現への統合的経営意識やコンサルティングの指導を実施。「熊野塾」 の公開講座や千利休物語 「花は野にあるように」 公演プロデュース等、多岐に渡る活動を実施している。
「みなさん、こんにちは」 満仲先生が会場のみなさんに挨拶をされました。
「今回は “こころ眠る” というテーマで心のあり方を考察してみたいと思います」
「日本には、世界に誇るべき美しい四季が存在し、その時々、春夏秋冬の移ろいに合わせる形で心を見つめるお話をさせていただきました。本年最後となった今回は厳冬表現とにちなみ “冬山惨淡(さんたん)として眠るが如く” を選ばせていただきました。この言葉には “目覚めの創造” というべきエッセンスが含まれていることを覚えていてください」
「今回のテーマ「眠る」 の文字を見てみますと、「目」 に 「民」 が組み合わされているのが分かります。これは、目を矢じりで突き、自己判断不能とした上で奴隷(民)にした、が語源でして、目が見えない→眠る→死 とした意味合いが含まれているのです。
遥か昔のギリシャ時代、既に衆愚政治について語られた記録が残っているのですが、その真髄は 「民は責任をとらない」 というもの。つまり 「眠る」 に含まれる 「民」 には広い意味での 「静」 が含まれているといえるでしょう」
「「五行循環運行」 という考え方がありますが、これを馴染み深い言葉に置き換えると 「木火土金水(もくかどこんすい)」 となります。
つまり 「木」 は、こすれ合うことによって「火」 を生み出し、全てを焼き尽くした後、灰となり、やがて 「土」 となります。 土から 「金」 が掘り出され、金は空中の 「水」 を呼び、命の水は 「木」 を育みます。こういった循環で世界は成り立っている観を説明しているのですが、この循環は人間の営みにも当てはめることができます。
「木」 は 「愛」 を秘めつつ立ちあがり、成長と共に 「火」 を呼び 「魂」 を形成します。やがて張り出した根が 「土(土台)」 となる 「省」 を生み、自身を見つめ直した上で、「金」 なる 「和魂」 として新たな価値(=自身)を再生し、最後は 「水」 の流れる様 「奇魂」 を伴いながら 「木=愛」 の元に戻り、永遠の育みを循環し続けるのです」
「「五行循環運行」 とは別に 「五計」 というものもあります。これは 「生計」 「身計」 「家計」 「老計」 「死計」 にて成り立つ考え方です。
それぞれの意味は 「生計=如何に生くか」 「身計=如何に立てるか」 「家計=如何に営むか」 「老計=如何に老いるか」 「死計=如何に死すか」 であり、総意として 「生まれを知り、計(計画)を見よ」 となるのです。
計画といっても、生まれてきた意味を無意識レベルで問うているので、本当に難しい話ではありますが・・・(笑)」
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「上記の中で 「身計」 「家計」 「老計」 を 「世事」 といい、いわゆる 「目に見える生活」 をどうすべきか、を意味します。「身計」 で仕事を、「家計」 で営みを、そして 「老計」 で老いを考えるのです。
一方、「生計」 「死計」 は別名 「使命」 といい、生まれてきた真の意味の問いかけとなります。「生計」 は何処から来たの? を指し、「死計」 は何処へ行くの? を意味します。これらは、魂レベルでの 「生」 と 「死」 を問うていますので、簡単に答えを出すことはできませんね。本当に難しい問題です」
「生と死が同意であることを 「未だ生を知らず、焉(いずく)んぞ死を知らん」 で表します。これは文字通り 「生を知らなければ、死を知ることはできない」 ということですが、その逆もしかり 「終わりを知らねば、今を生きる意味を知ることは出来ない」 ともいえるでしょう」
「ひとつの例え話として、末期がんに侵され、医者に 「余命3ヶ月」 と宣告されたとしましょう。生命を飛行機とすれば、終着点は飛行場となります。余命を考える、ということは、どのタイミングでどこに着陸するか、を考えるということになりますが、急な着陸を余儀なくされた場合、どこに着陸すべきか、と飛行場を探し続けていると、やがて燃料が尽きて墜落することになります。
ソフトランディングでゆっくり優しく着陸するかのごとく、人生を理想的に終えるにはどうすればよいか。人によっては落ちついて身辺整理をすることかもしれません。あるいは、余命を考えることによって初めて、家族や奥さん、旦那さんといった人生のパートナーと初めて本当に向き合えて話ができ、思いやりや優しさを実感できることなのかのもしれません。いずれの場合も魂を満足させる行動が不可欠となることは間違いないでしょう」
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ゆっくりと且つ分かりやすく、そして時折、笑顔を交えながら “こころ=魂が眠ることの意味” を話される満仲先生。今回の講座は下記のお話にて締めくくられました。
「生きている間に、人はどれほどの人と出会うことが出来るのか。大切とすべきポイントは 「人と出会うのではなく、魂と出会い、話す」 ということです。表面を見るのではなく、魂との交流に気を配る。その積み重ねの先に人生の本当の意味を見つけるきっかけを得ることができるでしょう」
「普通、誕生日って年1回ですよね。それを毎月意識するようにしてみてはいかがでしょう。
そして、その日は生計と死計、つまり自分は何故生まれてきたのか、を考えることとする。こうして1年を通じて12回、生計と死計を考えることができれば、これからの人生を送る上で、生きる意味合いの深さが随分違ってくることでしょう。
生きている意味に気付けぬ眠りから覚め “生と死は表裏一体” を知り得る鍵は “魂=根っこ” を循環する生命の連鎖に隠されているのです」
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