2008年6月
瞑想法の極意
成瀬 雅春 先生
今回の上質人生大学公開講座は 「 瞑想法の極意 」 です。
皆さんは瞑想という言葉から何を連想されるでしょうか。もしかしたら 「ただひたすら坐って無の境地に至る」 といった非生産的なイメージをお持ちになられるかもしれませんね。
瞑想にはそのようなイメージがある一方で、自己実現や成功を成し遂げた人々は、何らかの瞑想法を例外なく実践しているらしい、といった噂話を耳にされた方も多いかと存します。
一体、瞑想とは人間にとってどのような意味を持つ行為なのでしょうか
一般的に瞑想という行為そのものが、人間の内面 ~ 心理状態に内包されているため客観的評価を受け難く、ゆえに何がどうなっているのかわからない、とよく言われます。そこで今回の上質人生大学では “瞑想法” そのものをご案内することに致しました。
今回ご指導頂く成瀬先生は、上質人生大学にて 「倍音声明」 をシリーズで行われているお馴染みの先生です。
氷河と岩壁に囲まれたヒマラヤ・ガンジス河源流にあるゴームク(標高 4000m付近)における厳しい修行体験によって成瀬先生が磨き抜いてこられた瞑想法の数々の一旦を、どうぞ本レポートにてご体験下さい。
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【 成瀬 雅春 (なるせ まさはる) 先生 】
ヨーガ行者、ヨーガ指導者。12歳頃に「即身成仏」願望が生じ、今日までハタ・ヨーガを中心に独自の修行を続けている。1976年からヨーガ指導を始め、1977年2月の初渡印以来、インド、チベット、モンゴル、ブータンなどを数10回訪れている。
『サンデー毎日』(1983年5月1日号)のグラビアに「驚異の空中浮揚術」として8枚連続写真が掲載され一般に知られるようになった。さらに『週刊文春』(1988年4月21日号)に「空中大浮揚」として地上1メートルを超える写真が掲載された。空中浮揚以外にもシャクティチャーラニー・ムドラー(クンダリニー覚醒技法)や心臓の鼓動を止める呼吸法、ルンゴム(空中歩行)、系観瞑想法などを独学で体得している。
2001年、全インド密教協会からヨーギーラージ(ヨーガ行者の王)の称号を授与される。アーカーシャ・ギリ(虚空行者)という修行名で毎年標高4000mのヒマラヤで修行を続けている。
成瀬ヨーガグループ主宰。倍音声明協会会長。日本書経画協会理事長。朝日カルチャーセンター講師。
【 主要著書 】
『キレイをつくるらくちんヨーガ』
『50歳からはじめるらくちんヨーガ』
『オフィスでもできるらくちんヨーガ』
『からだのお悩み解決!らくちんヨーガ』
『仕事力をUPする!らくちんヨーガ』
『ふたりではじめるらくちんヨーガ』(以上、中央アート出版社)
『ハタ・ヨーガ』
『呼吸法の極意 ゆっくり吐くこと』
『クンダリニー・ヨーガ』(以上、BABジャパン)
『仕事力を10倍高めるヨーガトレーニング』
『仕事力を10倍高める呼吸法トレーニング』
『仕事力を10倍高める瞑想トレーニング』(以上、PHP研究所)
『5分でできるスッキリ瞑想法』(日本実業出版社)など他多数。
【 主要ビデオ&DVD 】
『ハタ・ヨーガエクササイズ』
『ハタ・ヨーガアドバンス』
『ヨーガ呼吸法上巻・下巻』(以上、BABジャパン)
ビデオ『気持ち良くタバコがやめられる』(キュアー) など他多数。
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「みなさん、こんにちは」 会場の皆さんに挨拶をされた成瀬先生。笑顔で参加者の顔を確かめ、次のようにおっしゃいました。
「この中で瞑想って何?という質問に答えられる方はいらっしゃいますか?」 唐突な質問に会場は苦笑いです。 「おられたらココには参加されてませんよね(笑)」
「そうなんです。瞑想について考えたとき “何だかよくわからないもの” というイメージを持たれる方はきっとたくさんいらっしゃると思うのですが、実際のところ瞑想というものは、それとは間逆ですごく具体的なものなのです。
現世で、私たちが一番わからないのは “自分自身のこと” です。もちろん瞑想をすれば気分は落ち着きますが、本質はそこにはありません。瞑想によってもたらされるメッセージ … それは自分自身を知る作業そのものなのです」
「 “知っている” とは “整理されている” ということです。読みたい本を手にするには、本棚がどの程度整理されているかで決まるように、人生における大切な選択時に自分の内面にある情報を素早く取り出し的確に判断できるかどうかは、自身の理解度が左右するのです。そこで “己を知る(識る)” ことを突き詰め、先人達によって練り上げられた手法のひとつが瞑想なのです」
このようにして瞑想の基本概念を話された成瀬先生は、次に集中力の大切さについての説明を始められました。
「瞑想には集中力が必要不可欠です。特に導入時には欠かせません」
「通常の場合、思考において雑念がゼロという状態はまずありません。ですから雑念を減らすという方向性が必要なのです。そのための1つが “何かに集中する=テーマを見つける” という考え方で、例えばろうそくの火を見つめる、などの手法があります。
大抵の場合、雑念とは物語のような 体を成しますが、それは瞑想においても例外ではありません。まず “お腹が空いてきたなぁ” から始まり、“何を食べよう” “中華がいいな” “じゃあ、あの店にしよう” といった流れで頭の中の物語が始まるのです。
で、その流れを引き戻す役目が、先程の “ろうそくの火” なのです。おかしな物語が頭で始まりそうになった時、目の前にある ろうそくの火 を見つめることによって集中力を高め、結果、自意識を本来の目的に戻してやる。こういった一見簡単そうな方法は利用しやすく、また、集中する時間を増やせば増やすほど集中行為そのものが習慣付いてくるのでお薦めです 。
また集中行為と同様に瞑想している自分をハッキリ認識することも、同じく瞑想導入に際しては大切な要素となってきます」
このようにして成瀬先生は、瞑想の導入部に関する基本的、且つ大切なポイントをわかりやすく説明されました。
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「では早速ですが、瞑想導入を体験していただきましょうか」 成瀬先生が会場を見渡し、参加者に目を閉じるように指示を出されました。
「まず、目を閉じてなお “何が見えるか” をよく観察し、目を閉じることは何も見えないことではないことを理解してください」
「目の前の状態 (まぶたの裏の映像) は刻々と変化するのでイメージが掴みづらいですが、それでも何が見えるかに意識を向けてください。このことはとても重要なことですから、しっかりと集中してください」
「何が見えるかを意識できれば、そのまま(目を閉じたまま) さらにギュッと力強くまぶたを閉じてみてください。しっかりと閉じましたら、一呼吸おいて閉じる力を緩めてください。その間、目は閉じたままであっても見えるものが違ってきますので、その違いを細部まで観察してください」
「次に目を閉じたまま周囲の景色を見るように眼球を上下左右に動かしてみてください。そうするとまた、違ったものが見えてくるはずです」
「人は同じことを続けると飽きてくるものですが、観察力の鋭い人ならば例え同じ作業を1時間繰り返したとしても飽きることはありません。なぜならまぶたを閉じた世界の隅々まで観察し、その変化に富んだ世界を味わい尽くすことができるからです」
また、成瀬先生は次のようなことも指導されます。
「(目を閉じたまま)手の平で顔を覆ってみてください。次に手の平を少しづつ腕を伸ばしながら遠ざけてみてください。そこにも見える世界の違いがあるはずです」
さらに成瀬先生は参加者を 3人一組のグループに分けると下記のように述べられました。
「今から目を閉じて見える世界を言葉に表す練習を行います。 1人が目を閉じ、残りの2人に自分の見えている世界の観察と確認、そして先程体験した動作による変化の様を言葉で説明してください。
その際、見えているものを記憶の中の風景などといった思い出とすり替えないでください。あくまでも見えたものをそのままナチュラルに言葉で表現するようにしてください」
説明後、成瀬先生から開始の合図が出ると、会場内は参加者の方々の一種興奮したような声で埋め尽くされてしまいました。皆さん、それぞれが見えている世界を説明するために言葉が心から溢れ出ているかのように筆者には見受けられました。
「心臓の鼓動と眉間に意識を交互に集中させる瞑想法を練習しましょう」
若干の休憩を挟んだ後、成瀬先生はおっしゃいました。
「まずは目を閉じてください。そして息を吐きながら心臓の鼓動を意識します。続いて眉間に意識を向けながら息を吸ってください。このように呼吸のリズムに合わせて心臓と眉間の交互に意識を集中させます。そのまましばらく続けていると心が落ち着き、意識の澄んだ状態になってきますので、そのような実感を得られたならば、呼吸に伴う空気流れが身体内のどこを通過しているかを知るように勤めてください。
実はこういった観察行為にこそ自分自身を知る扉が隠されていますから、慎重に細かく観察するようにしてください」
「顔の前で手の指 10本を見つめてください。そして目を閉じて1本につき10回づつ、各指に向けて息を吐いて吸うを繰り返してください。10本の指に対し10回づつですから合計100回行った時点で、さらにお気に入りの指にも数回行います。次に目を閉じたまま指を顔面より取り除きつつも “指はそこにある” と意識を残しながらさらに息の吹きかけを行ってみてください。
呼吸に伴う空気の流れが体内のどこを流れ、身体より排出した空気の流れが宇宙(この場合、息を吹きかけた指先から広がる無限の空間)のどこを通っているのかを十分に意識します。同じく宇宙を漂う空気がどこを通って身体に戻り、体内のどこを通ってどこに行き着くのか、をしっかりと観察してください。
この観察は魂に響き渡る種類ものですので、自身の集中度合いによってその成果は左右されます。集中とは集中している自分を観察することから始まりますので、しっかりと集中してみてください」
その後、さらに雑念を沸かし続ける瞑想法や 100まで数え隣の人の肩を叩いて思考に変化をもたらす瞑想法、瞑想をしている会場内を数人が歩き、肩を叩いて男女交互に交代する瞑想法など様々な手法を披露してくださった成瀬先生。そのひとつひとつの個性的な瞑想法によって、その都度違った感覚体験があることを実感させてくださいました。
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今回の講座は 4時間という長丁場でしたが、最後の最後まで会場の緊張感が途切れることなく充実した瞑想体験を実施することができました。これも成瀬先生のご指導の下、参加者の皆さんが真剣に瞑想に取り組んだ結果なのでありましょう。
そして講座終了時間も迫り、参加者からの質疑応答も終えた今、今回の瞑想講座の最後を締めくくるべく成瀬先生は次のように声をかけられました。
「冒頭でも申し上げましたが、瞑想とは自分自身を客観視する作業であります。瞑想によって意識をヒマラヤの山頂や宇宙の果てに飛ばし、想像ではなく、あたかもそこにいるかのような体験をしてください。
“思う” だけではダメなのです。瞑想で宇宙の果てまで行ったのなら必ずそこまで行ったという実感を伴う体験をしてきてください。実際にそこにあるであろう質感を五感全てで味わいきる、その体験こそが自身の身体や精神、心の理解への扉を開けるのです。
瞑想を極めるとは自分を知り尽くすことに他なりません。世間一般にいわれる “悟り” や “解脱” などは全て己を知ってこそ得られる体験であります。私たちはそれを経て初めて人間としての勉強を終え、生まれ変わる必要のない存在へと到達するのだ、ということを是非ご理解していただきたいと思います」
ホロンPBIでは忙しい毎日の中では中々感じることの出来ないような「感動」や「体験」を皆様に味わっていただけるよう、各界のさまざまな先生のお話をホロンPBI主催の「上質人生大学公開講座」を中心に今後も充実したラインナップで展開してゆきたいと考えております。
気軽な雰囲気の中で本当に気持ちの良い「体験」や「知識」に触れ合うチャンスなんてそうそうあるものではないですよね。これを機会に好奇心一杯の気持ちを鞄に詰めて、会場まで足をお運び頂ければ幸いと存じます。
スタッフ一同、皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。
それでは次回のホロンPBI主催の「上質人生大学公開講座」を楽しみにしていて下さいね。楽しいこと、不思議なこと、そしてあなたの人生にちょっとしたエッセンスを加えることが出来ること請け合いです。 どうぞご期待下さい。
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【 特別付録 】
恒例となりました、成瀬先生の服装ワンポイントチェック!
今回の講座でも成瀬先生の服装にチェックすべきポイントを発見致しました。
↓ ココ
黒地に銀、オレンジ 赤の模様入りシャツは、夜空を駆け巡る揺る流星のごとく。その漆黒の宇宙にキラリと光る小粋な赤ボタンは、まるで夜空にきらめく星々のよう。
柔らかい生地を染め上げる華やかさに同系色のボタンをあしらった、高等テクニックがお見事デス。
オシャレですね!







