上質人生大学

特別講座レポート

2006年3月その弐
夢の構造part3~春はあけぼの夢のまにまに~
尾畑 雁多 先生

 

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今回のバーチャルホロン大学公開講座は『夢の構造part3』~ 春はあけぼの夢のまにまに ~』をお届け致します。

 


尾畑 雁多(おばた かりんど) 先生】 

  1960年、赤穂浪士の子孫としてこの世に生をうける。 
  先祖代々、赤穂武士の間に伝わっていた古式陰陽道を伝承する播磨陰陽師の末裔として、幼い頃より様々な霊体験を通して、一子相伝の秘術を習得する。古式陰陽道の伝承は、歴史的に「謎の集団」として知られる播磨陰陽師たちのもつ呪術・霊術から武術・戦略や武家の風習にいたるまでの多岐にわたるが、特に当家の伝承は、古くは物部の祭祀に起因する夢操り・夢伝え等の、独特な夢の世界に関する伝承と、その世界から現実に影響を与え変更すると伝わるノウハウを有する。


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 「今日は旧暦での節分にあたる日ですね。新しい一年の節目として大変ふさわしい日に皆さんにお会いできて大変うれしく思います。

 私ども播磨陰陽師は祭祀、武術、陰陽術を持って播磨陰陽道を確立致しました。そして1400年以上もの間、鑑を神奉り、剣を武術、勾玉を呪術とした三種の神器になぞらえ包括し、子孫代々その技術や内容を継承してきたのです。つまり、私はお祓いに関する特殊な祭事や武術、古神道の秘事を大量に伝承してきた一族の末裔という訳です。
  私の祖先は、三百年以上前には神祓衆として「陰陽師」「播磨者」「播磨武士」「播磨衆」などと世間より呼ばれていたようですが、自分達では自身の事を「御式神内(ごしきうち)」と呼んでおりました。通常、「御式内」とは武家の屋敷内で伝えられる武術や礼式を意味しますが、播磨では独自に「神」の字を加え「式神」の文字で陰陽道全体を表していたようです。よって、近年までは「播磨御式神内」でありましたが、最近は「播磨陰陽師」とだけ呼ばれるに至っております」

 講座冒頭、尾畑先生はこのように挨拶をされました。

 

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 「夢の世界の説明をする前に、今回は霊と魂の違いについて少しご説明しておきたいと思います。

 

  魂とは、人間の生命に関わる分野で、「幸魂(さきたま)」、「荒魂(あらみたま)」、「和魂(にきたま)」、「奇魂(くしたま)」の4つのカテゴリーが存在していると言われております。そして、それらをひとくくりにまとめたものを霊と呼んでいるのです。このように霊を整理し考えた場合、大切なのは一人一人の霊を大きくすると神に近づけるという概念であり、そういった意味でも魂のレベルを磨いていかねばならないのです。
  今、私は「神」という言葉を使いましたが、日本古来より伝わる 「神道」 はいわゆる 「宗教」 ではありません。神道には見ての通り 「○○教」 といった 「教」 という文字が付きません。それどころか創始者もいなければ経典もないのです。当然、教祖も存在致しません。あるのは只、神社とそれに付随するモノがあるだけなのです。また、古神道は陰陽師から発生したのですから、古神道自体が陰陽師系である、というのが正しい見方です」 と話された尾畑先生は、続いて 「場」 の説明に移られました。

 「一般的に 「場」 というのは、「その場所」 といった意味で使われておりますが、本来はその場所に住む(存在する) 「主」 を表す言葉でありました。具体的に主とは 「池の主」 や 「山の主」 などを指しておりますが、これを夢の世界に当てはめますと 「意識場」 ということになるのです」

 

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 「場所に関係する概念では、今居る場所が 「この世」 で 「あの世」 は何だか分からない世界と考えております。ちなみに江戸時代ではオランダ等の名の知れた一部の国を除いたヨーロッパ諸国を、あの世と呼んでいたという記述が当時の文献に残っております。また複数の古文書を紐解いてゆくと、天国や地獄といった世界観はキリスト教が伝来した後に生まれた概念であるということも分かってきます」

 

 「夢の世界についてですが、ここはひとつの大きな山に例えることができます。その大山の頂上付近は 「大学」 と呼ばれ、その真意は 「学び舎」 となります。そして、夢を見ている人々はその山の裾野から 「山の頂上=大学=学び舎」 を目指すのです。またこの世界のルールは比較的単純で、良い夢を見たければ良い夢を見せ、悪い夢を望めば悪い夢を見せるのです。すべては個人の心持ちに左右される、つまりはそういうシステムで夢の世界は構築されているのです」 と話された尾畑先生は、次いで夢の世界へのアプローチ法を伝授して下さいました。

 「今回は前回(2005年8月4日)の講義の続きであり、且つ中級編ともなっておりますので、夢に対するアプローチとして祓詞(はらへことば)を使う方法を伝授させていただきたいと思います。一般的な祓詞は次のようになります。

 掛まくも賢き(かけまくも) 伊耶那岐の大神(いざなきのおほかみ) 筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原に(つくしのひむかのたちばなのおどのあわぎはらに) 禊祓へ給ひし時に生坐る祓戸の大神達(みそぎはらエたまイしときになりませるはらへどのおほかみたち) 諸々の禍事(もろもろのまがこと) 罪(つみ) 穢れは在らぬをば(けがれをあらぬをば) 祓ひ給へ清め給へと申す詞を聞こし食せと(はらイたまエきよめたまエエとまをすことをきこしめせと) 畏み畏み(かしこみかしこみ) も申す

 

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 これを1センテンスごとに覚えて唱えてみてください。これは通常、祝詞(のりと)と呼ばれているもので、普通どこの神社に行っても聞くことのできるものですが、流派によってはフシをつけたりつけなかったり、細部の言い回しの違うものが幾つかあるようです。こういった祝詞に使用する言葉は約5000種程あり、当然、朝と夕では使用する言葉が違ってきます。また、語尾や強弱などにも若干違いがあり、朝は昨夜見た悪夢を吹き飛ばす力を得るために 「強め」 且つ 「早め」 で行い、夕は今晩悪夢を見ないようにと 「弱め」 且つ 「ゆっくり」 な祝詞となるのです」 このようにおっしゃった尾畑先生は、早速壇上にて祝詞を挙げる見本を示した後、「集中力を高めるためにこのような道具を使うこともあります」 と、持参された火打石を披露し 「このような火打石をはじめとする道具類には、持ち方、打ち方に手順があり、それを間違うと意味がなくなってしまいます」 と説明してくださいました。


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0603_obata_05.jpg 「次に 「夢の交換」 についてお話したいと思います。夢の交換とは文字通り 「相手と夢を交換する方法」 で、お祓い祝詞を使ってお互いの夢の場に入り、相手と同じ夢を見ることで可能となります。これは現存する人だけではなく、過去の人間とでも夢の場で会うことが可能であります。  例えばここにある道具があるとしましょう。そしてその道具には見事な細工が施されており、そこから何らかの情報を得ようとします。この場合、そういった細工が施された道具には細工を施した人の情報も入っているので、その道具に触れることによってその人の情報を得ることができるのです。そしてそうした上で、何が欲しいのかを頭の中でイメージしながらお祓い祝詞を唱えて作業は完了します。只、これには重要な代償が伴いまして、何日分かの自分の命を捧げて行わなければ、まず欲しい情報を得ることはできません。なぜなら生贄を捧げるほどの命がけさがないと、そのような情報にはアクセスできないからなのです」

 

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 「更に播磨陰陽師には 「常世春之行(とこよはるのぎょう)」 と呼ばれる夢行法もあります。これは心の冬…、心が寒いときや悲しいとき、寂しいときに霊力が失われ、生きる力も失われた際に霊力を補充する方法で、心の内に溜まった悪しきモノを外に出し、改めて心の春を迎える行法なのです。ここで使用する祝詞には 「常世(とこよ)」 という詞が出てまいりますが、これは俗に言う 「死後の世界」 であり、遥かに遠く、不変の国を意味しているのです。先ほどもチラッと申しましたが、この概念はキリスト教の 「天国」 や、仏教の 「地獄」 に相当しますが、同じものではありません。これは古代日本人が人が死ぬと逝くべき国と考えていた場所のことで、もっと厳密に言うと 「常世之國」 は死の國でもなく死に場所でもないのです。私たちが行き着くべき場所である 「常世之國」 と 「死後の世界」 は別物であり、一般的に我々が考えている 「死後の世界」 とは 「黄泉國」 のことであります」 」

 

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0603_obata_07.jpg 最後に尾畑先生は家で祝詞を挙げる際の注意点を述べてくださいました。

 「ご家庭では、略詞である 「祓ひ給へ清め給へ(はらイたまエきよめたまエ) 守り給へ幸ひ給へ(まもりたまエさきわイたまエ)」 と述べて、卵を手の中に入れたイメージで パンッパンッ と2回手を打ち鳴らしてください。1回目のパンッは目的のものを呼び出すために、そして2回目のパンッは悪いモノを打ち払う意味があるのです。もちろん正式なお祓いが一番効果があるのですが、これでも結構効力がありますよ。僕は頭の中の分も含めて、最低でも1日5回はお祓いをあげるようにしています。
 現世でうまくいっている時に限って、低次元誘導現象が発生し、その現象に引き込まれやすくなります。すると良い事と悪い事が相殺してしまうので、うまくいっているときこそそのような現象や夢を気にしないようにして下さい。また、同じ箇所(例えば指先など)のケガが続くときなどは、寝る位置が良くないケースもあるので枕の位置を変えてみてください。特に西枕は良くありません。東から昇る太陽のエネルギーを捕まえるためにも東枕を心がけてみてください。
  盛塩も良いですね。この場合、店や家の玄関前に置くのではなく、室内で構いませんから風通しの良いところに小さな三角形状で置いてください。そして形が崩れたらすぐに新しい盛塩に交換するようにしてください」

 「この世のモノはすべてがつながっております。さらにそのつながりの輪は現在だけでなく、時間を越えての存在である先祖に対しても同様であります。そしてその絆が、先祖伝来の情報は紙や記録よりも口伝が一番大切であると教えてくれます。
  口伝とはすなわち 「心」 。良き心を保つため、そして皆様への幸が多く訪れるよう、全ての方が常に良い夢が見られますように…」


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 今回のテーマである 「播磨陰陽師における夢のお話」 は大変奥深いもので、わずか数時間の講義ではとても内容の片鱗にすら辿り着く事も出来ません。そこでホロンPBI・バーチャルホロン大学におきましては、尾畑先生の同テーマにおけるシリーズ化を実現いたしております。つきましては再続編の日時詳細を追ってお知らせできるものと考えておりますので、皆様には楽しみにお待ち下さいますよう申し上げます。

 

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 ホロンPBIでは忙しい毎日の中では中々感じることの出来ないような「感動」や「体験」を皆様に味わっていただけるよう、各界のさまざまな先生のお話をホロンPBI主催の「上質人生大学公開講座」を中心に今後も充実したラインナップで展開してゆきたいと考えております。

 気軽な雰囲気の中で本当に気持ちの良い「体験」や「知識」に触れ合うチャンスなんてそうそうあるものではないですよね。これを機会に好奇心一杯の気持ちを鞄に詰めて、会場まで足をお運び頂ければ幸いと存じます。

 スタッフ一同、皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。

 それでは次回のホロンPBI主催の「上質人生大学公開講座」を楽しみにしていて下さいね。楽しいこと、不思議なこと、そしてあなたの人生にちょっとしたエッセンスを加えることが出来ること請け合いです。 どうぞご期待下さい。


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