2005年9月
呼吸法~基礎講座 in 大阪~
成瀬 雅春 先生
皆さん、こんにちわ。今回のPBIバーチャルホロン大学公開講座レポートは、「呼吸法 基礎講座 in 大阪」の模様をお届けいたします。
現在の日本において,呼吸法指導講座はそれこそ星の数ほどありますが、それら講座とは一線を引く高レベルな内容を目指すべく、今回のホロンPBIバーチャルホロン大学公開講座ではヨーガ行者 成瀬雅春先生 による「呼吸法」の基礎講座を開催致しました。
成瀬先生によるヨーガ修行に基づく呼吸法の指導は各方面で高い評価を受けており、例えば女優の高樹沙耶さんが、成瀬先生による呼吸法指導を受けた上で2002年のフリーダイビング世界大会に挑み、見事メダルを獲得された実績も記憶に新しいところです。
またこの様な「記録に挑むアスリートの為に」といった特殊なケースに限らず、我々のような一般生活者においても「緊張の解放」、「集中力を高める」、「精神力の強化」などによって日常生活はおろか、仕事、又な趣味のスポーツ競技などをはじめとするあらゆる分野で驚異的効果を得られるのが呼吸法の特徴であります。更に基礎的な呼吸法から高度な呼吸法まで少しずつ体得していくことで感性が磨かれ、人生までもスムーズに変化させることが可能とあれば、これは私達にとっての必須科目といっても良いのかも知れません。
すでに呼吸法を実践されている方でも、正しい技法をきっちりと身につけなければより高度なテクニックに進む際、上手くいかないといったジレンマに陥る事も珍しくありません。そういった意味でも注目すべきポイントは多岐に亘り、故に今回の講座は、呼吸における基本を見直す良い機会となるでしょう。
【 成瀬 雅春 (なるせ まさはる) 先生 】
ヨーガ行者、ヨーガ指導者。12歳頃に「即身成仏」願望が生じ、今日までハタ・ヨーガを中心に独自の修行を続けている。1976年からヨーガ指導を始め、1977年2月の初渡印以来、インド、チベット、モンゴル、ブータンなどを数10回訪れている。
『サンデー毎日』(1983年5月1日号)のグラビアに「驚異の空中浮揚術」として8枚連続写真が掲載され一般に知られるようになった。さらに『週刊文春』(1988年4月21日号)に「空中大浮揚」として地上1メートルを超える写真が掲載された。空中浮揚以外にもシャクティチャーラニー・ムドラー(クンダリニー覚醒技法)や心臓の鼓動を止める呼吸法、ルンゴム(空中歩行)、系観瞑想法などを独学で体得している。
2001年、全インド密教協会からヨーギーラージ(ヨーガ行者の王)の称号を授与される。アーカーシャ・ギリ(虚空行者)という修行名で毎年標高4000mのヒマラヤで修行を続けている。
成瀬ヨーガグループ主宰。倍音声明協会会長。日本書経画協会理事長。朝日カルチャーセンター講師。
【 主要著書 】
『キレイをつくるらくちんヨーガ』
『50歳からはじめるらくちんヨーガ』
『オフィスでもできるらくちんヨーガ』
『からだのお悩み解決!らくちんヨーガ』
『仕事力をUPする!らくちんヨーガ』
『ふたりではじめるらくちんヨーガ』(以上、中央アート出版社)
『ハタ・ヨーガ』
『呼吸法の極意 ゆっくり吐くこと』
『クンダリニー・ヨーガ』(以上、BABジャパン)
『仕事力を10倍高めるヨーガトレーニング』
『仕事力を10倍高める呼吸法トレーニング』
『仕事力を10倍高める瞑想トレーニング』(以上、PHP研究所)
『5分でできるスッキリ瞑想法』(日本実業出版社)など他多数。
【 主要ビデオ&DVD 】
『ハタ・ヨーガエクササイズ』
『ハタ・ヨーガアドバンス』
『ヨーガ呼吸法上巻・下巻』(以上、BABジャパン)
ビデオ『気持ち良くタバコがやめられる』(キュアー) など他多数。
「今の日本で一番大切なコトとはなんでしょう」
呼吸法講座を行うにあたり、成瀬先生より会場の皆さんに質問がありました。
「もちろんお金や住む家は大切ですが、今それらが手元からなくなったとしても生きてはいけます。しかし、呼吸はわずか10分であっても止めれば必ず命を落とします。そういった意味で呼吸は人間にとってとても大切なコトだといえるのです」
「空気を吸う事だけに偏って考えるのは、生きていく上であまりよいとは言えませんね。例えば深呼吸などでも、昔から「ハイ、吸ってぇ」などと言われてからスーっと息を吸い込むでしょう。でも基本的な考え方としては、汚いコップにいくら綺麗な水を入れてもダメなんです。まずはコップの中のドロ水を捨ててからでないと綺麗な水は入らないですよね。実は呼吸にも同じ事が言えるのです。
まず空気を吐き出し身体の中を空っぽにしてから空気を吸わなければ、本当に呼吸しているとは言えません。つまり、まず初めに取り組むべきは吐く事を中心に考えるという事なのです」と呼吸の基本的な概念を参加者に話される成瀬先生。
「深い呼吸が大切だという事がわかっていても、具体的にどうすればよいかがわからない…といったケースがよく見受けられます。なぜこのように迷ってしまうのかというと、肺活量と呼吸の深さが単純には比例しないという事実があるからなのです。このポイントを見失えば袋小路に入ってしまうのもムリはありません」
「バケツの水を捨てる場合、パッと捨てただけでは水が底に残ってしまうので不完全といえます。しかし少し時間をかけてバケツを逆さまにすれば完全に中身を捨て去る事が出来るハズ。この「時間の概念」の大切さは呼吸も同じで、ゆっくりと時間をかけて肺の空気を吐き出す呼吸法は何より重要なポイントのひとつなのです」
「子宮の中で羊水に満たされて育ってきた赤ちゃんも産まれた瞬間はまず「おぎゃー」と息を吐き出して、この世界で生きてゆく為に必要な呼吸の一歩を踏み出します。そして長い年月を生き、天寿を全うして死ぬその瞬間、人は息を吸って死んでゆきます。つまりスタートで息を吐き、息を吸ってゴールを迎えるというのが人間の一生なのです」と、矢継ぎ早に話された後、文字通り一息入れられた成瀬先生です。
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「ではこの辺で実際に深い呼吸を体験して頂きましょう。まず初めに、各自楽な姿勢で座ってみて下さい。 そして、尾?骨(びていこつ)から頭頂骨までの身体の中心線が曲がらないように、真っ直ぐなイメージを持って目を閉じて下さい。… 出来ましたか?… 出来ましたらそこで、自身の呼吸を観察して下さい。吸い込んだ空気が肺に入ったと考えた人は頭の知識が優先しています。もっと自身の感覚を大切にしてよく観察すれば、吸い込む息は決して均一ではなくムラがあることが分かると思いますので、そのムラに端をなす「体内のゆらぎ」を感じて下さい。これだけでヨーガにおける呼吸のポイントの8割ぐらいはつかめたといって良いと思います」
笑顔で話される成瀬先生は、会場内の「呼吸」をさらなる高みへと導かれます。
「息をゆっくり吐いて … そしてゆっくり吸って呼吸を止めます。 頭の中で 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 と、数えたらゆっくり吐き、再度ゆっくり吸い始めます。 (このタイミングで呼吸を数度繰り返す) さて、このようにゆっくりと落ち着いた呼吸が出来たなら、次は鼻の穴の片側で呼吸をしてみましょう。
まず右手の人差し指を眉間(みけん)に当てた上で親指を使って鼻の右穴を塞ぎます。そして一呼吸…。 次に右穴を塞いでいる親指を外し、中指で左の鼻の穴を塞いだ上で一呼吸…。 これを繰り返してゆきます。ここで大切な事はまず目を閉じて心を落ち着かせてから、先程のような落ち着いた呼吸を心がけるという点です。右穴と左穴では息の通り具合が違うので、極力バランスをとれるように心がけて下さい。その心がけによって潜在意識にバランスをとろうとする気持ちが生じ、習慣化によって通常呼吸のバランスが培われてゆくのです」
「完全に詰まっているならば仕方ありませんが、少しでも空気が通るならば上記の鼻の穴の片側での呼吸を行うべきだと考えます。なぜならこの呼吸法は精神面への働きかけが大きいので、意識的に行う価値があるのです。
その際、完全に息を吐き切って吸うと、瞬間、呼吸そのものにムラが出来てしんどいので、少しだけ息を残して息を吐くのが良いでしょう」
「呼吸で鼻が鳴るのが鼻息。もっと鼻で音を出すようにすると、やがて喉(のど)が鳴り出すようになります。これが喉息。ヨーガにおける呼吸は鼻息と喉息の中間ぐらいで音を出すのが丁度良いのです。
ではここで3人1組になった上で、それぞれが相手の呼吸音を聞き合い、お互いにアドバイスしてみましょう」
そして成瀬先生は以下の言葉を付け加えられます。
「耳を塞いで呼吸を行うと自分自身の呼吸の欠点がより分かりやすくなります。少し慣れてきたならば耳を塞ぎ自身の呼吸音を確認しながらアドバイスを受けてみて下さい」
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成瀬先生は、また違った呼吸法も伝授されます。 「布巾をキュっとしめるように息を吐き、パッと緩めるように息を吸う呼吸法。これをヨーガではカパーラ・バーティ・クリヤー(頭蓋光明浄化法)と呼んでいます。この呼吸法の大切なポイントは文字通り「締める事によって吐き、緩める事によって自然に息が入る」点にあります。具体的には0.5秒で緩め、1秒待つというリズムで行いますが、力を抜くのが難しいとされます。
では、先程とは違う3人組となってこれも実践してみて下さい。尚、0.5秒が難しければ1秒でも構いませんよ」
「音を出しながら長く息を吐くといった方法もあります。歯を出しながら口をすぼめ、奥歯をあわせて舌先を上顎につけて息を止めます。そして舌を上顎から離すと息が出ます。息の出方を勢い良くする為に口をすぼめる事が重要です。逆に勢いをつけずにゆっくりと吐こうとすると逆に空気が洩れ出てしまいます。それよりも口をすぼめて勢い良く出した方が、あたかもホースの口を絞って水を撒くように長く息を保てます」
「舌を離さずに行う呼吸法もあります。この場合、上顎につけた舌の両端を空気が抜けてゆく感じになります。
今からストップウオッチで秒数を計りますので、女性で最低20秒、男性は30秒程度吐き続けた上で更にプラス10秒吐き切れるようにしてみて下さい」
「親指で鼻の穴を塞ぎ、薬指を鼻腔に突き上げるように当てて残りの鼻の穴を半分塞ぎます。そして音を立てて勢い良く息を吸います。吸いきったら親指側をやや緩めてゆっくりと音を出さないように吐き出してゆきます。吸うときは冷たさを、吐くときは暖かさを感じて下さい。この呼吸法は2~3分程度行うのが良いでしょう」
このように各種呼吸法を紹介、指導された成瀬先生は、最後に全身を使った呼吸法を伝授して下さいました。
「お腹に手を当てて息を吐き終えます。するとお腹はへこみます。そこでスッと力を抜いて再び息をゆっくりと吸えばまたお腹は膨らみます。これを下部呼吸法といいます。次いで胸を広げながら息を吸い、お腹をへこませながら息を吐く方法を中部呼吸法、肩を上げながら息を吸う方法を上部呼吸法と呼びます。そしてこれら3つの呼吸法を同時に行えば、全身を使った素晴らしい呼吸が可能となります。
まず、お腹に手を当てて息を吐き、お腹を膨らませながら息を吸います。更に胸を開きながら吸い続け、最後に両肩を上げながら息を吸い切ります。そしてお腹をへこませながら息を吐くと胸が閉じ肩も降ります。ここまでの動作で一呼吸とします。
実はこれが、今回の講義の冒頭で申し上げたバケツの水を捨て切るような「時間をかけた呼吸」を行う方法のひとつなのです」
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全身を使った呼吸法を伝授された成瀬先生は、最後にこのように述べられました。
「例えわずかな時間であっても、今回行った呼吸法を日々繰り返す事によって身体が息を吐き切る事を覚えますので、普段の生活における呼吸がゆっくりとした自然なリズムに変化してゆきます。呼吸法の練習による心身への悪影響などは一切ありませんので、何度も繰り返し練習するようにして下さい。
そして1つでもいいからこの素晴らしい呼吸法を身に付けて下さい。その恩恵は必ずや皆さんの身体に素晴らしい変化をもたらす事になるでしょう」
ホロンPBIでは忙しい毎日の中では中々感じることの出来ないような「感動」や「体験」を皆様に味わっていただけるよう、各界のさまざまな先生のお話をホロンPBI主催の「バーチャルホロン大学公開講座」を中心に今後も充実したラインナップで展開してゆきたいと考えております。
気軽な雰囲気の中で本当に気持ちの良い「体験」や「知識」に触れ合うチャンスなんてそうそうあるものではないですよね。これを機会に好奇心一杯の気持ちを鞄に詰めて、会場まで足をお運び頂ければ幸いと存じます。
スタッフ一同、皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。
それでは次回のホロンPBI主催の「バーチャルホロン大学公開講座」を楽しみにしていて下さいね。楽しいこと、不思議なこと、そしてあなたの人生にちょっとしたエッセンスを加えることが出来ること請け合いです。 どうぞご期待下さい。
恒例となって参りました、成瀬先生の服装ワンポイントチェック!
今回の講座でも成瀬先生の服装にチェックすべきポイントを発見致しました。
↓ ココ
シックなグレーのシャツにキラリとひかるかわいいボタン。よく見るとコレ、ふくろうをデザインしたボタンなんです。
かわいい!







