上質人生大学

特別講座レポート

2005年3月
倍音声明~OVER TONE CHANTING~
成瀬 雅春 先生

 

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 皆さんは 「倍音声明」 というものをご存知ですか? 倍音声明とは、神秘のベールに包まれたチベット密教に伝わる数々の修行法から編み出された発声法で、発祥の地、本場チベットはもとより、日本における体験者からも「宗教的概念を必要とせず、また従来の健康法・瞑想法のレベルを超える素晴らしい体験が得られた」との声も上がる素晴らしい瞑想法の一つであります。

 さて、 PBIバーチャルホロン大学公開講座の大好評シリーズとして6年以上前から展開している倍音声明ですが、今回の御指導も、おなじみ 成瀬 雅春 先生 にお願い致しました。 
  成瀬先生はヨガ行者として毎年海抜 4000メートルのヒマーラヤで修行を重ねられ、その長年にわたる修行体験をもとに数々の本を出版されるなど倍音声明の第一人者として活躍されている、この分野ではとても有名な方です。

happa.jpg まず本題に入る前に倍音声明について簡単にご説明することに致しましょう。

 

 倍音声明そのものは、母音の発声と沈黙の状態を順番通りに繰り返す …といった単純なものです。しかし、この単純極まりない行為に人間の意識を開放させる力が潜んでいるのですから私たちの心とは本当に不思議なものですね。 
  成瀬先生の言葉をお借りすれば 「この発声法には、ヨガ修行者達が一生涯をかけて追い求める「理想の世界」を具現化する力があり、その力には特別な修行などとは縁遠い方々にも「自身の心の内面を深く、簡単に見つめ直すことのできるパワーがある」 のだそうです。

happa.jpg0503_naruse_1.jpg 「瞑想はバイブレーションそのものです。倍音声明は音(声)がかなり響き渡りますので、初めての方は少し驚くかもしれませんね。 

 

 手元にお配りした紙(発声の順番を明記)を頼りに声を出してみて下さい。倍音声明中は身体の中で常に振動(バイブレーション)が起きますが、他人の振動によっても様々なイメージが湧いてきます。聞こえる様々な音を楽しんで下さい。
  普通の瞑想では体験できない肉体的、精神的感覚を素直に受け取り楽しんで下さい」と参加者に笑顔で話される成瀬先生。

 

0503_naruse_2.jpg 「では早速始めましょう。とにかく体験して頂きますので、まず皆さんで輪になって下さい」と呼びかけると参加者全員で一つの大きな輪をつくらせ、成瀬先生が手に持つ小さな鐘の音に合わせて母音を発するように告げました。

 

 「カーン…」

 鐘の合図と共に、会場全体に震える声が響きわたります。皆の発する「声の波」に会場が満たされてゆく中、発音が2~3回変わるとどうでしょう。最初はバラバラだった声が絶妙なシンクロへと変化し、さらに奥深い感動が会場全体を包み始めました。
 そのまま十数分、同じ発音を続けると次のステップとして無音を加えた6母音を、隣なりの方と違う発音になるように成瀬先生が各自の発声順番を決めました。

 

0503_naruse_3.jpg 1回の発声平均時間は1分30秒前後。こうしてそれぞれが違う母音を順番に発声することにより、会場全体を包む「音」がより複雑となり、さらに深い瞑想状態に入ってゆけるように導きます。

 

  不慣れから来る「不揃いな音」も、発音を2~3回変えた頃には先程同様、複雑で大きなうねりへと変わってゆきました。

 そして30分ほど発声を行ったところで、成瀬先生は約20分間の休憩を挟まれました。休憩の後にはいよいよ今回の「クライマックス」が待っているのです。

happa.jpg ところで今回の休憩では、成瀬先生が皆さんと気さくに話されるのが見受けられました。

 「先生、倍音声明中に賛美歌が聞こえたのですが」
 「ハイ、よくある事ですね。人によっては般若心経やゴスペルが聞こえる事もありますよ」

 「それは集中しないと聞こえないのですか?」
 「いえ、そんな事はありません。記憶の中の音が聞こえるのですから、とにかくリラックスする事が大切なのです」

 このように答えられた成瀬先生は、「意識をどれだけ身体に向けられるか、更にその意識下においてどれだけ身体をコントロール出来るかを突き詰める事が、ヨガにおいてはとても大切」と話されると、その場で驚くべき技を見せて下さいました。

 

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 「ちょっとした事ですが、己の細胞一つ一つに意識を張り巡らした結果このような「動き」が出来るようになります。そして、このような繊細なコントロールの積み重ねがいつしか「意識」や「感覚」の成長を促し、その成長が自身の「内面」と「外界」の違いを気付かせ、やがては人生を生き抜く大きな力へと発展してゆくのです。その大切さをどれだけ理解できるか、が問題ですね」

happa.jpg0410_naruse_5.jpg 休憩も終わり、いよいよ「隣と違う母音の発声」を長時間にわたって行うクライマックスが訪れました。皆さんの「倍音声明」を傍で聞いていると「放出された声のエネルギーが空間の歪に消え去る流れ」が手に取るように分かります。(その感覚に根拠はないとしても、実にリアルに感じられるのです) その他にも、この場と無関係な音(賛美歌とは違う、恐らく自身の記憶に刻まれているような音)も聞こえて来るのですが、フト冷静になってみれば会場全体を包み込むものは「参加者全員の声」しかないのが何とも不思議でなりません。

 成瀬先生は合図の鐘を鳴らす以外何も行いません。只ひたすら合図を出し続けます。結果、順番としての無音時以外、参加者は休みなく声を出し続ける事になります。 会場を包み込む複雑な波動の中、脳裏に浮かんでは消える無心と雑念。内面に次々と沸き起こる自らの感情を味わいながら、ひたすらに声を出し続けますが、皆さんの発声パワーに時間経過による衰えやバテは見受けられません!

 皆が声を出し続けて小一時間、程好く「倍音声明」は終了の鐘を迎える事となりました。

happa.jpg0503_naruse_6.jpg 数分間の静けさを経て、心地よい疲労の中再度、成瀬先生の話に耳を傾けます。 ここで成瀬先生は参加者の皆さんと向き合うように座り、質問を受ける時間を設けられました。それに応えて「倍音声明」を体験した直後の皆さんからは、自身の感想を交えた「熱い気持ち」が成瀬先生に投げかけられます。

 「倍音声明は毎日行った方が良いのでしょうか?」
 「いえ、お好きな時に行うのが良いと思います」

 「身体の振動を意識すべきでしょうか?」
 「その方の意識コントロール力によります。コントロール出来るなら自身の振動を好きなように増減する事が可能となります。その結果、内面にもたらされる感覚を更に深く味わう事が出来るようになるのです」

 「倍音声明は一人でも出来ますか?」
 「出来ますが、大勢の方が倍音声明の良さが分かりやすいのかも知れませんね」

happa.jpg0503_naruse_7.jpg 最後に成瀬先生は参加者の皆さんにこう語りかけました。

 「身体をコントロールする能力があれば生きてゆく上で何が起き、見えようが問題はありません。なぜなら自分にとって一番必要な対処法を、一番自然な形でとれるようになるからです。その為には先程も申し上げたように、自身の意識をどれだけ身体に向けられるかが大切になります。
 その意味でも倍音声明はとても手軽に、且つ深く行える瞑想方法だと思います。倍音声明とは最終的には音が見えるようになる作業ですが、その感覚を言葉で説明する事は出来ません。

 私は倍音声明を、数え切れない程体験し、実践しております。しかし今までに一度たりとも同じ経験をしたという事がありません。

 

0503_naruse_8.jpg  その時々の体調や自分自身の精神状態、そして「倍音声明」を行う会場の違いによって響きが全く違ってくるのです。もちろんこれは体験によってしかご理解頂けない領域だと思います。

 

 普段の生活、倍音声明に関わらず人間は常に自分に必要な音をピックアップしていますが、それは音に浄化作用があるからだと言われています。音を発し音を浴びる…この単純且つ奥深い体験を、これからも皆さんと一緒に続けてゆければいいですね」と。

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 なんとも表現のしようのない非日常的な体験と不思議な感覚…。「倍音声明」は、誰にでも出来る簡単な発声法でありながら、重ねた回数毎に全く違う感覚を味合わせてくれる、極めて質の高い瞑想法なのです。

 冒頭でも申し上げた通り「倍音声明」はシリーズとして展開しております。次回の倍音声明(2005年6月25日)へは、このレポートをお読みの皆さんも "普段の生活では感じる事の出来ない「好感触瞑想状態」"にぜひ御参加されてみてはいかがでしょうか。

 

happa.jpg ホロンPBIでは忙しい毎日の中では中々感じることの出来ないような「感動」や「体験」を皆様に味わっていただけるよう、各界のさまざまな先生のお話をホロンPBI主催の「 上質人生大学公開講座 」を中心に今後も充実したラインナップで展開してゆきたいと考えております。

 気軽な雰囲気の中で本当に気持ちの良い「体験」や「知識」に触れ合うチャンスなんてそうそうあるものではないですよね。これを機会に好奇心一杯の気持ちを鞄に詰めて、会場まで足をお運び頂ければ幸いと存じます。

 スタッフ一同、皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。

 それでは次回のホロンPBI主催の「 上質人生大学公開講座 」を楽しみにしていて下さいね。楽しいこと、不思議なこと、そしてあなたの人生にちょっとしたエッセンスを加えることが出来ること請け合いです。 どうぞご期待下さい。

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