上質人生大学

特別講座レポート

2004年10月
倍音声明
成瀬 雅彦先生


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 皆さん、こんにちわ。今回のPBIバーチャルホロン大学公開講座レポートは、10月23日(土曜日)に行われた「倍音声明」の模様をお届けいたします。

 皆さんは「倍音声明」というものをご存知ですか?「倍音声明」とは、神秘のベールに包まれたチベット密教に伝わる数々の修行法から編み出された発声法で、発祥の地、本場チベットはもとより、日本における体験者からも「宗教的概念から脱し、従来の健康法・瞑想法のレベルを超えている!」と、言わしめた素晴らしい瞑想法の一つなのです。
 「すでに知っている」「体験した」あなたから、「それって何?」のお隣りさんまで、さぁ!普段の生活では体験し得ない素晴らしい瞑想の世界へご案内致しましょう!

happa.jpg さて、PBIバーチャルホロン大学公開講座における大好評シリーズとして4年以上も前から展開している「倍音声明」ですが、今回の御指導も、おなじみ「成瀬 雅春」先生にお願いすることが出来ました。

 成瀬先生はヨガ行者として毎年海抜4000メートルのヒマーラヤで修行を重ね、その長年にわたる修行体験をもとに数々の本を御出版され、倍音声明の第一人者として御活躍されている、この分野ではとても有名な方です。

happa.jpg 心地よい初秋の下、大阪は西九条の一角にある「ミューラシア」という会場で今回の「倍音声明」は始められました。

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 元は鉄工所であった事を微塵も感じさせない「ミューラシア」は、無垢の丸太で二重天井を支え切る全面板張りの居心地良い素適な空間です。成瀬先生も見覚えのある何人かの参加者に声をかけるなど、会場にお集まりになった皆さんもどこかリラックスした雰囲気を醸し出しています。

 さて、本題に入る前に「倍音声明」について簡単に御説明することに致しましょう。
「倍音声明」とは、一言で言うと「ウ→オ→ア→エ→イ→沈黙」という母音の発声と沈黙の状態を順番通りに繰り返す…といった単純なものです。しかし、この単純極まりない行為に人間の意識を開放させる力が潜んでいるとは、未体験の方には、ちょっと想像出来ないかもしれませんね。
 成瀬先生の言葉をお借りすれば「この発声法には、ヨガ修行者達が一生涯をかけて追い求める「理想の世界」を具現化する力があり、その力には特別な修行などとは縁遠い人間にも「自身の心の内面を深く、簡単に見つめ直すことのできるパワーがある」のだそうです。

happa.jpg0410_naruse_2.jpg 「瞑想はバイブレーションそのものです。倍音声明は音(声)がかなり響き渡りますので、初めての方は少し驚くかもしれませんね。 手元にお配りした紙(発声の順番を明記)を頼りに声を出してみて下さい。倍音声明中は身体の中で常に振動(バイブレーション)が起きますが、プラス他人の振動の進入により様々なイメージが湧いてきます。聞こえてくる、様々な音を楽しんで下さい。普通の瞑想では体験できない肉体的、精神的感覚を素直に受け取り楽しんで下さい。
 (ホールの天井を見上げながら)ここは二重天井であるところがいいですね。音が複雑に反射しますから…」と参加者の前で笑顔で話される成瀬先生。
  小さく息を吸い込むと、おもむろに合図の「鐘」を握られました。

 「では早速、はじめましょうか」

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 成瀬先生は、参加者の方々に「とにかく体験していただきましょう。まず皆さんで輪になって下さい」と笑顔で呼びかけ、参加者全員に一つの大きな輪をつくらせました。

そして成瀬先生が持っている小さな鐘の音に合わせて順番通りに母音を発声するように参加者全員に告げました。

 「カーン…」

 鐘の合図と共に、会場に参加者全員の震える声が響きわたります。皆の発する「声の波」に会場が満たされてゆく中、鳴り響く鐘の合図で発音が2~3回変わるとどうでしょう。最初はバラバラだった声が、微妙で絶妙なシンクロに変わり、さらに奥深い感動が会場全体を包み始めました。
 そのまま十数分、同じ発音での倍音声明を続けた後、次のステップとして成瀬先生は、全員が一度に「同じ母音」を発声するのではなく、無音を加えた6母音を、隣なりの方と違う発音になるように各自の発声の順番を決めてゆきました。

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 1回の発声平均時間は1分30秒前後。こうしてそれぞれが違う母音を順番に発声することにより、会場全体を包む「音の波」がより複雑となり、参加者全員がさらに深い瞑想状態に入ってゆけるように導きます。不慣れから来る「不揃いな音の波」も、発音を2~3回変えた頃には先程同様、複雑で大きなうねりへと変わってゆきました。
 そしてそれらを30分ほど行ったところで、成瀬先生は約10分間の休憩をはさみました。休憩の後にはいよいよ今回の「クライマックス」が待っているのです。

happa.jpg 「倍音声明」のクライマックス。

それは先程練習した「隣なりの方と違う母音を順番に発声する」方法を長時間にわたって行う、といったものです。
 成瀬先生の指導の元、会場の皆さんが行う「倍音声明」を傍で聞いていると「放出された声のエネルギーの立ち登りから、音圧差によって発生する空間の歪に飛び込んだ末に儚くも消え去る「命」の営みを思わせる想念の流れ」が、手に取るようにわかるのです(それがたとえ根拠のない事だとしても、とてもリアルに感じられるのです)
 その他にも、この場所とは無関係な音(恐らく、自身の記憶に刻まれているような音)までが不思議と聞こえて来るのです。会場全体を包み込むものは「参加者全員の大きな声」だけしかない、というのに!

happa.jpg0410_naruse_5.jpg 成瀬先生は「倍音声明」中は、合図の鐘を鳴らす事以外何も行いません。只ひたすら皆さんに対して鐘の合図を出すだけです。結果、順番としての無音時以外、参加者は休みなく声を出し続ける事になります。 会場を包み込む複雑な声の波動の中で、脳裏に思い浮かんでは消え去る無心と雑念。参加者の方々は、内面に次々と沸き起こる自らの感情を味わいながら、ひたすら声を出し続けます。しかも(たとえ6音中1回の割合で発声しない「無音のパート」があるにせよ)皆さんの発声パワーが衰え、バテる…といった事はありません!
 皆が声を出し続けて程好く「倍音声明」は終了の鐘を迎える事となりました。

happa.jpg 数分の静けさの後、心地よい軽い疲労感を感じながら再度、成瀬先生の話に耳を傾けます。

 ここで成瀬先生は参加者の皆さんと向き合うように座り、質問を受ける時間を設けられました。それに応えて「倍音声明」を体験した直後の皆さんからは、自身の感想を交えた「熱い」質問が成瀬先生に投げかけられます。

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「倍音声明ではあらゆる音が聞こえるんですよ。みんなで母音を出すと、そのぶつかりによってあらゆる音の要素が混ざり合い、そして発生します。ですから、そのあらゆる音のエキスの中で、あなたはあなたが聞きたい音を聞いているということなのです。
  仏教の方には般若心経が、キリスト教の方には賛美歌が聞こえるように、人間には自分が聞きたい音だけをチョイスする力があるのです。普段でも聞きたくない音や他人の話は聞いていないでしょう(笑)つまり聞きたい音だけをピックアップする能力としてあなたは高い音を選んだ、という事です」

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 「私は3回目の参加になるのですが、今回はとても眠く、宙を浮いているような感覚に襲われまして、正直声を出すのが面倒になった程です(笑)。反面、今は肩こりが取れたような感じがしてスッキリしたのですが、倍音声明中は声を出し続けなくてはならないのでしょうか?」

 「それは浄化作用ですね(笑)。眠くなった時は内緒ですが(小声で)寝て下さい(笑)。人によっては泣いてしまうこともある倍音声明です。一連の感情は心の中を綺麗にする浄化作用ですから、沸き起こる感情には素直に身を委ねて下さい」

 「チベット密教では今でも倍音声明を行っておりますか?」
 「ニンマハ派の人々を中心に続けられております」

 「アイウエオ以外でも行えますか?」
 「どの音でも、伸ばせば母音になりますからOKですよ。ちなみに発声は口の中で響く順番で決めています」

 「発声しながら身体の振動を意識しても構わないですか?」
 「構いません。いかに心地良い振動を見つけ出すかに集中するのも良い方法ですね」

 「家に帰って一人で行っても構いませんか?」
 「自由です。もともと一人で行うものですか。時間も場所も自由ですよ」

happa.jpg 最後に成瀬先生は参加者の皆さんにこう語りかけました。

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 「瞑想である以上、我慢して行うことは時間の無駄です。自由に気持ちよく行うことこそが大切なのです。

 私は倍音声明を、数え切れない程体験し、実践しております。しかし今までに一度たりとも同じ経験をしたという事がありません。その時々の体調や自分自身の精神状態、そして「倍音声明」を行う会場の違いによって全く違う響きを毎回体験しております。
 普段の生活の中でも、倍音声明の中でも人間は常に自分に必要な音をピックアップしています。それは音に浄化作用があるからだと言われています。音を発し、その音を浴びる…このように奥深く素晴らしい体験を、これからも皆さんと一緒に続けてゆければいいですね」と。

happa.jpg なんとも表現のしようのない非日常的な体験と不思議な感覚…。「倍音声明」は、誰にでも出来る簡単な発声法でありながら、重ねた回数毎に全く違う感覚を味合わせてくれる、極めて質の高い瞑想法なのです。

 会う人にやさしさと厳しさ、さらに気さくさをも感じさせるのは、常に厳しい修行を行われてきた成瀬先生ならではの魅力です。
 冒頭でも申し上げた通り「倍音声明」はシリーズとして展開しております。次回の倍音声明(2005年・春)へは、このレポートをお読みの皆さんも "普段の生活では感じる事の出来ない「気持ち良い瞑想状態」"に御参加されてみてはいかがでしょうか。

happa.jpg ホロンPBIでは忙しい毎日の中では中々感じることの出来ないような「感動」や「体験」を皆様に味わっていただけるよう、各界のさまざまな先生のお話をホロンPBI主催の「 上質人生大学公開講座 」を中心に今後も充実したラインナップで展開してゆきたいと考えております。

 気軽な雰囲気の中で本当に気持ちの良い「体験」や「知識」に触れ合うチャンスなんてそうそうあるものではないですよね。これを機会に好奇心一杯の気持ちを鞄に詰めて、会場まで足をお運び頂ければ幸いと存じます。

 スタッフ一同、皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。

 それでは次回のホロンPBI主催の「 上質人生大学公開講座 」を楽しみにしていて下さいね。楽しいこと、不思議なこと、そしてあなたの人生にちょっとしたエッセンスを加えることが出来ること請け合いです。 どうぞご期待下さい。

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