上質人生大学

特別講座レポート

2004年7月
倍音声明
成瀬 雅彦先生

 

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 皆さん、こんにちわ。今回のPBIバーチャルホロン大学公開講座レポートは、7月9日(金曜日)に行われた「倍音声明」の模様をお届けいたします。

 皆さんは「倍音声明」というものをご存知ですか?「倍音声明」とは、神秘のベールに包まれたチベット密教に伝わる数々の修行法から編み出された発声法で、発祥の地、本場チベットはもとより、日本における体験者からも「宗教的概念から脱し、従来の健康法・瞑想法のレベルを超えている!」と、言わしめた素晴らしい瞑想法の一つなのです。
 「すでに知っている」「体験した」あなたから、「それって何?」のお隣りさんまで、さぁ!普段の生活では体験し得ない素晴らしい瞑想の世界へご案内致しましょう!

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 さて、PBIバーチャルホロン大学公開講座の大好評シリーズとして4年以上も前から展開している「倍音声明」ですが、今回の御指導も、おなじみ「成瀬 雅春」先生にお願いすることが出来ました。
  成瀬先生はヨガ行者として毎年海抜4000メートルのヒマーラヤで修行を重ね、その長年にわたる行体験をもとに数々の本を御出版され、倍音声明の第一人者として御活躍されている、この分野ではとても有名な方です。

 

 

0407_naruse_1.jpg また、今回はシリーズ初の試み…ナイトバージョンを企画、敢行致しました。

 初夏の夜、大阪帝国ホテルに隣接するアートコート ギャラリー(ARTCOUT Gallery)にて行われた「ロマンティック瞑想」。シンプル且つ純白にデザインされたホールの殻壁は声の反響面から見て「高さ」「広さ」が丁度良く、倍音声明を行うには思いのほか素晴らしい「極上空間」に思えました。

 さて、本題に入る前に「倍音声明」を簡単に御説明することに致しましょう。
 「倍音声明」とは、一言で言うと「ウ→オ→ア→エ→イ→沈黙」という母音の発声と沈黙の状態を順番通りに繰り返す…といった単純なものです。しかし、この単純極まりない行為に人間の意識を開放させる力が潜んでいるとは、未体験の方には、ちょっと想像出来ないかもしれませんね。
 成瀬先生の言葉をお借りすれば「この発声法には、ヨガ修行者達が一生涯をかけて追い求める「理想の世界」を具現化する力があり、その力には特別な修行などとは縁遠い人間にも「自身の心の内面を深く、簡単に見つめ直すことのできるパワーがある」のだそうです。

happa.jpg0407_naruse_2.jpg 「(ホールの天井を見上げながら)ここは天井が高いのがいいですね。チベットの寺院も同じような感じの天井ですが、ここまでキチッと密閉はされていませんね。ここなら声がよく響くでしょうから、倍音のシャワーを目一杯浴びる事ができるでしょう。素晴らしいですね」と参加者の方々を見つめながら笑顔で話される成瀬先生でした。

 「では早速、倍音声明をはじめましょうか」

 成瀬先生は、参加者の方々に「とにかく体験していただきましょう。まず皆さんで輪になって下さい」と笑顔で呼びかけ、参加者全員に一つの大きな輪をつくらせました。
 そして成瀬先生が持っている小さな「鐘」の音に合わせて順番通りに母音を発声するように参加者全員に告げました。

 「カーン…」

 鐘の合図と共に、会場に参加者全員の震える声が響きわたります。皆の発する「声の波」に会場が満たされてゆく中、鳴り響く鐘の合図で発音が2~3回変わるとどうでしょう。最初はバラバラだった声が、微妙で絶妙なシンクロに変わり、さらに奥深い感動が会場全体を包み始めました。

0407_naruse_3.jpg そのまま十数分、同じ発音での倍音声明を続けた後、次のステップとして成瀬先生は、全員が一度に「同じ母音」を発声するのではなく、無音を加えた6母音を、隣なりの方と違う発音になるように各自の発声の順番を決めてゆきました。
  1回の発声平均時間は1分30秒前後。こうしてそれぞれが違う母音を順番に発声することにより、会場全体を包む「音の波」がより複雑となり、参加者全員がさらに深い瞑想状態に入ってゆけるように導きます。不慣れから来る「不揃いな音の波」も、発音を2~3回変えた頃には先程同様、複雑で大きなうねりへと変わってゆきました。
 そしてそれらを20分ほど行ったところで、成瀬先生は10分間の休憩をはさみました。休憩の後にはいよいよ今回の「クライマックス」が待っているのです。

happa.jpg0407_naruse_4.jpg 休憩中に一部の皆さんと談笑された成瀬先生が、このようにおっしゃいました。  「倍音声明を行っていると、色々な声が聞こえる可能性がありますよ」
 すると、すかさず前半の体験で感じた事を踏まえた質問が成瀬先生に投げかけられました。
 「色々な音が聞こえるとは、具体的にどの様な音なのでしょう?私には声以外、何も聞こえませんでしたが…」
 「今までで良く「聞こえる」といわれてきたものでは「般若心経」「賛美歌」、それに「太鼓の音」や「水の音」などが挙げられますね。どちらにしろ体験を重ねる事が一番大切ですよ」

happa.jpg 「倍音声明」のクライマックス。

 それは先程練習した「隣なりの方と違う母音を順番に発声する」方法を長時間にわたって行う、といったものです。
 成瀬先生の指導の元、会場の皆さんが行う「倍音声明」を傍で聞いていると「放出された声のエネルギーの立ち登りから、音圧差によって発生する空間の歪に飛び込んだ末に儚くも消え去る「命」の営みを思わせる想念の流れ」が、手に取るようにわかるのです(それがたとえ根拠のない事だとしても、とてもリアルに感じられるのです)
 その他にも、この場所とは無関係な音(恐らく、自身の記憶に刻まれているような音)までが不思議と聞こえて来るのです。会場全体を包み込むものは「参加者全員の大きな声」だけしかない、というのに!

0407_naruse_5.jpg 成瀬先生は「倍音声明」中は、合図の鐘を鳴らす事以外何も行いません。只ひたすら皆さんに対して鐘の合図を出すだけです。結果、順番としての無音時以外、参加者は休みなく声を出し続ける事になります。

 会場を包み込む複雑な声の波動の中で、脳裏に思い浮かんでは消え去る無心と雑念。参加者の方々は、内面に次々と沸き起こる自らの感情を味わいながら、ひたすら声を出し続けます。しかも(たとえ6音中1回の割合で発声しない「無音のパート」があるにせよ)皆さんの発声パワーが衰え、バテる…といった事はありません!
  皆が声を出し続けて程好く「倍音声明」は終了の鐘を迎える事となりました。

happa.jpg 数分の静けさの後、心地よい軽い疲労感を感じながら再度、成瀬先生の話に耳を傾けます。

  ここで成瀬先生は参加者の皆さんと向き合うように座り、質問を受ける時間を設けられました。それに応えて「倍音声明」を体験した直後の皆さんからは、自身の感想を交えた「熱い」質問が成瀬先生に投げかけられました。

0407_naruse_6.jpg 「輪の真ん中に座った時は、本当に気持ちよかったです」

 「(笑顔で)よかったですね」

 「一人で行う時はどの様な場所で行うのがベストでしょうか?」
 「チベット密教では「滝のすぐ傍」で行う事が多いですね。これは自分の周りを包み込む音圧が多人数で行う場合と同じような効果を生み出すからです」

 「低い声を出した時がとても気持ちが良かったです(笑顔)」
 「チベット密教では、人間が出せる低い声を限界まで突き詰める修行を行います。そのおかげで世界で一番低い声を出せる修行僧がチベットには存在しますが、その声は地響きのような「音」として周囲の空気を震わせます。なぜこのような低音を求めるのかというと「チベット密教では低い声こそが仏さまに繋がる、人間の根底に関わるもの」と考えられているからです」
「そんなに低い声を、なぜ皆で出すのでしょうね?」
「それが倍音声明だからですよ(笑)

 最後に成瀬先生は参加者の皆さんにこう語りかけました。

0407_naruse_7.jpg 「私は倍音声明を、数え切れない程体験し、実践しております。しかし今までに一度たりとも同じ経験をしたという事がありません。その時々の体調や自分自身の精神状態、そして「倍音声明」を行う会場の違いによって全く違う響きを毎回体験しております。

 普段の生活の中でも、倍音声明の中でも人間は常に自分に必要な音をピックアップしています。それは音に浄化作用があるからだと言われています。音を発し音を浴びる…このような奥深く素晴らしい体験を、これからも皆さんと一緒に続けてゆければいいですね」と。

happa.jpg なんとも表現のしようのない非日常的な体験と不思議な感覚…。「倍音声明」は、誰にでも出来る簡単な発声法でありながら、重ねた回数毎に全く違う感覚を味合わせてくれる、極めて質の高い瞑想法なのです。

 会う人にやさしさと厳しさ、さらに気さくさをも感じさせるのは、常に厳しい修行を行われてきた成瀬先生ならではの魅力です。
 冒頭でも申し上げた通り「倍音声明」はシリーズとして展開しております。次回の倍音声明(2004年11月)へは、このレポートをお読みの皆さんも "普段の生活では感じる事の出来ない「気持ち良い瞑想状態」"に御参加されてみてはいかがでしょうか。

happa.jpg ホロンPBIでは忙しい毎日の中では中々感じることの出来ないような「感動」や「体験」を皆様に味わっていただけるよう、各界のさまざまな先生のお話をホロンPBI主催の「 上質人生大学公開講座 」を中心に今後も充実したラインナップで展開してゆきたいと考えております。

 気軽な雰囲気の中で本当に気持ちの良い「体験」や「知識」に触れ合うチャンスなんてそうそうあるものではないですよね。これを機会に好奇心一杯の気持ちを鞄に詰めて、会場まで足をお運び頂ければ幸いと存じます。

 スタッフ一同、皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。

 それでは次回のホロンPBI主催の「 上質人生大学公開講座 」を楽しみにしていて下さいね。楽しいこと、不思議なこと、そしてあなたの人生にちょっとしたエッセンスを加えることが出来ること請け合いです。 どうぞご期待下さい。

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