上質人生大学

特別講座レポート

2004年3月その壱
倍音声明
成瀬 雅春 先生

 

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 皆さん、こんにちわ。今回のPBIバーチャルホロン大学公開講座レポートは、3月13日(土曜日)に行われた「倍音声明」の模様をお届けいたします。

 皆さんは「倍音声明」というものをご存知ですか?「倍音声明」とは、神秘のベールに包まれたチベット密教に伝わる数々の修行法から編み出された発声法で、発祥の地、本場チベットはもとより、日本における体験者からも「宗教的概念から脱し、従来の健康法・瞑想法のレベルを超えている!」と、言わしめた素晴らしい瞑想法の一つなのです。
 「すでに知っている」「体験した」あなたから、「それって何?」のお隣りさんまで、さぁ!普段の生活では体験し得ない素晴らしい瞑想の世界へご案内致しましょう!

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 さて、PBIバーチャルホロン大学公開講座の大好評シリーズとして4年以上も前から展開している「倍音声明」ですが、今回の御指導も、おなじみ「成瀬 雅春」先生にお願いすることが出来ました。
  成瀬先生はヨガ行者として毎年海抜4000メートルのヒマーラヤで修行を重ね、その長年にわたる行体験をもとに数々の本を御出版され、倍音声明の第一人者として御活躍されている、この分野ではとても有名な方です。

 また、今回の講座は天王寺区内に在する「大蓮寺」境内に建てられた多目的ホール「應典院」を会場として使わせて頂きました。「應典院」は声の反響面から見て「高さ」「広さ」が丁度良く、倍音声明を行うにはとても良い空間なのです。

happa.jpg0403_naruse_1.jpg それではまず、本題に入る前に「倍音声明」とはいったいどういったものなのか、といった事を簡単に御説明することに致しましょう。 一言でいうと、「倍音声明」とは「ウ→オ→ア→エ→イ→沈黙」という母音の発声と沈黙の状態を順番通りに行い繰り返す…といった単純なものです。しかし、この単純極まりない行為に人間の意識を大きく開放させる力が潜んでいようとは、未体験の方には、ちょっと想像出来ないかもしれませんね。
 成瀬先生の言葉をお借りすれば「この発声法には、ヨガ修行者達が一生涯をかけて追い求める「理想の世界」を具現化する力があり、その力には特別な修行などとは縁遠い私達にも「自身の心の内面を深く、簡単に見つめ直すことのできるパワーがある」のだそうです。

 PBIバーチャルホロン大学公開講座で行う倍音声明もシリーズ8回目ということで、会場にお集まりになった皆さんもどこかリラックスした雰囲気です。成瀬先生も見覚えのある何人かの参加者の顔を見ながら、ゆっくりとおもむろに「倍音声明」についてのお話を始められました。

happa.jpg0403_naruse_2.jpg 「人が自分の人生を生きていく上で、瞑想の果たす役割はとても重要です。しかし短時間の瞑想ならともかく、長時間にわたって瞑想を行う事は私の経験からしても、とても大変な作業です。ところが「倍音声明」なら、長時間の瞑想と同じ結果を比較的簡単に得る事が出来るのです。 私も「倍音声明」と出会い随分年月が経ちましたが、月日が増せば増す程に本当に良いものだ、という実感が湧いてきます。ですから皆さんにも「倍音声明」の素晴らしさをぜひ体験して頂きたい、と心から願っているのです。」と。

 そして成瀬先生の一言一言に真剣に耳を傾ける参加者の皆さん。

 「では早速、倍音声明をはじめましょうか」。成瀬先生は、参加者の方々に「とにかく体験していただきましょう。まず皆さんで輪になって下さい。」と笑顔で呼びかけ、参加者全員に一つの大きな輪をつくらせました。

0403_naruse_3.jpg そして成瀬先生が持っている小さな「鐘」の音に合わせて順番通りに母音を発声するように参加者全員に告げました。

 「カーン…」

 鐘の合図と共に、会場に参加者全員の震える声が響きわたります。皆の発する「声の波」に会場が満たされてゆく中、鳴り響く鐘の合図で発音が2~3回変わるとどうでしょう。最初はバラバラだった声が、微妙で絶妙なシンクロに変わり、さらに奥深い感動が会場全体を包み始めました。
 そのまま十数分、同じ発音での倍音声明を続けた後、次のステップとして成瀬先生は、全員が一度に「同じ母音」を発声するのではなく、無音を加えた6母音を、隣なりの方と違う発音になるように各自の発声の順番を決めてゆきました。

0403_naruse_4.jpg  1回の発声平均時間は1分30秒前後。こうしてそれぞれが違う母音を順番に発声することにより、会場全体を包む「音の波」がより複雑となり、参加者全員がさらに深い瞑想状態に入ってゆけるように導きます。不慣れから来る「不揃いな音の波」も、発音を2~3回変えた頃には先程同様、複雑で大きなうねりへと変わってゆきました。
 そしてそれらを20分ほど行ったところで、成瀬先生は10分間の休憩をはさみました。休憩の後にはいよいよ今回の「クライマックス」が待っているのです。

happa.jpg0403_naruse_5.jpg 「倍音声明」のクライマックス。 それは先程練習した「隣なりの方と違う母音を順番に発声する」方法を長時間にわたって行う、といったものです。
 成瀬先生の指導の元、会場の皆さんが行う「倍音声明」を傍で聞いていると「放出された声のエネルギーの立ち登りから、音圧差によって発生する空間の歪に飛び込んだ末に儚くも消え去る「命」の営みを思わせる想念の流れ」が、手に取るようにわかるのです(それがたとえ根拠のない事だとしても、とてもリアルに感じられるのです)
 その他にも、この場所とは無関係な音(恐らく、自身の記憶に刻まれているような音)までが不思議と聞こえて来るのです。会場全体を包み込むものは「参加者全員の大きな声」だけしかない、というのに!

0403_naruse_6.jpg 成瀬先生は「倍音声明」中は、合図の鐘を鳴らす事以外何も行いません。只ひたすら皆さんに対して鐘の合図を出すだけです。結果、順番としての無音時以外、参加者は休みなく声を出し続ける事になります。

 会場を包み込む複雑な声の波動の中で、脳裏に思い浮かんでは消え去る無心と雑念。参加者の方々は、内面に次々と沸き起こる自らの感情を味わいながら、ひたすら声を出し続けます。しかも(たとえ6音中1回の割合で発声しない「無音のパート」があるにせよ)皆さんの発声パワーが衰え、バテる…といった事はありません!
  その間、時間にして約1時間(!)。皆が声を出し続けて程好く「倍音声明」は終了の鐘を迎える事となりました。

happa.jpg 数分の静けさの後、心地よい軽い疲労感を感じながら再度、成瀬先生の話に耳を傾けます。

  そこで成瀬先生は参加者の皆さんと向き合うように席を整え、質問を受ける時間を設けられました。それに応えて「倍音声明」を体験した直後の皆さんからは、自身の感想を交えた「熱い」質問が成瀬先生に投げかけられました。

 「発声中はパイプオルガンとテノール歌手の歌声が重なってくるイメージを受けました。今後、倍音声明を行う場合、もっと上手に出来る「コツ」のようなものはありますか?」
 「回数を重ねれば、その人なりの工夫が掴めてくるようになりますよ」

 「一人でも出来ますか?」「OKです」
 「部屋でも出来ますか?」「OKです」

0403_naruse_7.jpg 「一人で行うのならどの様な場所で行うのがベストでしょうか?」

 「チベット密教では「滝のすぐ傍」で行う事が多いですね。これは自分の周りを包み込む音圧が多人数で行う場合と同じような効果を生み出すからです。日本では「高速道路の下」なんかが良いのではないでしょうか」
 「えっ…高速道路の下は空気が悪いのでは…?」
 「うむっ…そうですねぇ(笑)」

 「母音の順番の意味は?」
 「唇の動きに基づいています。具体的には「外から内への動き」と言えるでしょうね」

 「瞑想の解説本によれば「俗物から離れる為に瞑想を行う」とありましたが、成瀬先生は瞑想をどの様に思われていますか?」
 「瞑想は自分自身をきちんと知る為のものです。倍音声明を通しての瞑想では「気持ち良くなってくる自分をちゃんと認識する」事が大切だと思います。別に自分から離脱する必要はなく、まずは瞑想を繰り返し体験する事が重要だと思いますね」

 「チャクラが開くとは「心臓が花咲くようになる事」だと思っていますが、成瀬先生のご意見は?」
 「チャクラとは「私達の身体に合計7箇所存在する」と言われている概念で、尾てい骨から頭蓋骨(とうがいこつ)にかけての、人体における生命エネルギーを通す「道」に存在する節目のような部位を指します。チベット密教においては「自身の生命エネルギーを滞る事なくきれいに通すには7つのチャクラを全開にする必要がある」と考えられており、突き詰めれば「チャクラを全開にしたいが故に私たちは修行を行っている」と言えるのかもしれませんね。具体的には「チャクラを開きエネルギーの場所を広く」というのではなく「生命エネルギーが天に突き抜ける感じ」でしょうかね(笑)」

 「今日は出来るだけ低い声で倍音声明を行ってみました。すると声が肋骨に響いてとても気持ちが良かったのですが、これは瞑想としての倍音声明では良い事なのでしょうか?」
 「チベット密教では、人間が出せる低い声を限界まで突き詰める修行を行います。そのおかげで世界で一番低い声を出せる修行僧がチベットには存在しますが、その声は地響きのような「音」として周囲の空気を震わせます。なぜこのような低音を求めるのかというと「チベット密教では仏とコンタクトを取る為にはなるべく低い声である事が重要だ」と考えられているからです。従って倍音声明においての低い声というのは、とても理にかなった声なのですよ。自信を持って取り組んで下さい」

happa.jpg0403_naruse_8.jpg 最後に成瀬先生は参加者の皆さんにこう語りかけました。

 「私は倍音声明を、数え切れない程体験し、実践しております。しかし今までに一度たりとも同じ経験をしたという事がありません。その時々の体調や自分自身の精神状態、そして「倍音声明」を行う会場の違いによって全く違う響きを毎回体験しております。 この奥深く素晴らしい体験を、これからも皆さんと一緒に続けていきたいですね」と。

 なんとも表現のしようのない非日常的な体験と不思議な感覚…。「倍音声明」は、誰にでも出来る簡単な発声法でありながら、重ねた回数毎に全く違う感覚を味合わせてくれる、極めて質の高い瞑想法なのです。

 会う人にやさしさと厳しさ、さらに気さくさをも感じさせるのは、常に厳しい修行を行われてきた成瀬先生ならではの魅力です。
 冒頭でも申した通り「倍音声明」はシリーズとして展開しておりますので、次回の倍音声明(7/9(金))では、このレポートをお読みの皆さんも "普段の生活では感じる事の出来ない「気持ち良い瞑想状態」"を御体験されてみてはいかがでしょうか。

happa.jpg ホロンPBIでは忙しい毎日の中では中々感じることの出来ないような「感動」や「体験」を皆様に味わっていただけるよう、各界のさまざまな先生のお話をホロンPBI主催の「 上質人生大学公開講座 」を中心に今後も充実したラインナップで展開してゆきたいと考えております。

 気軽な雰囲気の中で本当に気持ちの良い「体験」や「知識」に触れ合うチャンスなんてそうそうあるものではないですよね。これを機会に好奇心一杯の気持ちを鞄に詰めて、会場まで足をお運び頂ければ幸いと存じます。

 スタッフ一同、皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。

 それでは次回のホロンPBI主催の「 上質人生大学公開講座 」を楽しみにしていて下さいね。楽しいこと、不思議なこと、そしてあなたの人生にちょっとしたエッセンスを加えることが出来ること請け合いです。 どうぞご期待下さい。

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