上質人生大学

特別講座レポート

2011年6月
播磨陰陽師講座 / ~ 夢の構造Part7 ~
尾畑 雁多(おばた かりんど) 先生

i-obata.jpg尾畑 雁多(おばた かりんど) 先生

1960年、赤穂浪士の子孫としてこの世に生をうける。
先祖代々、赤穂武士の間に伝わっていた古式陰陽道を伝承する播磨陰陽師の末裔として、幼い頃より様々な霊体験を通して、一子相伝の秘術を習得する。古式陰陽道の伝承は、歴史的に「謎の集団」として知られる播磨陰陽師たちのもつ呪術・霊術から武術・戦略や武家の風習にいたるまでの多岐にわたるが、特に当家の伝承は、古くは物部の祭祀に起因する夢操り・夢伝え等の、独特な夢の世界に関する伝承と、その世界から現実に影響を与え変更すると伝わるノウハウを有する。

 

 

 

 

 

110621_obata_01.jpg「今回のテーマは “不安を取り除く未来” です」

尾畑先生が会場のみなさんに話しかけられました。

 

「今年は大きな地震や津波が発生し、不安をもたれている方も多いと思います。

そこで今回は自分の未来を確かなものとすべく “不安を取り除く未来” をテーマとしました」

 

「不安を感じさせる要素は多岐に渡りますが、その中で見逃せないのが 「重力に対する不安」 です。

人間は2足歩行なので頭が上部に位置しています。ですから下半身が不安定だと頭の位置を維持できない=不安になる、という現象が発生します。これが重力に対する不安であり、地震で地面が揺れるとその不安はより一層強くなります。

この場合、重心を低くすれば不安は取り除かれるので、地震時はまず身体を低くして下さい。とっさの地震に判断がつかず、立ったまま何かをつかもうとするとケガをしますので、まず体制を低くする。これだけで地震に対する不安はかなり取り除かれると思います」

 

「次は痛みに対する不安です。痛みにケガはつきものですが、ケガが治癒する過程で “青あざが消える“ ”傷口の細菌に対抗するため白血球が集まる“ 等の変化が体内に発生し、その刹那、人間は不安を感じてしまうのです。

これは “命が危険となった時、不安が生じる” とまとめることができるでしょう」

 

「人間は不安になると前のめりになり、呼吸が速く浅くなります。これは胎児の姿勢であり、本能的に命を守ろうとする反応です。しかし、その姿勢から生み出される不安がさらに自身の不安を加速する傾向があるとしたら、これは取り除かなくてはなりません。

そのためにはまず姿勢を起こし胸を張ることです。こうすることにより呼吸はゆっくりと深くなり、心が落ち着いてきます。ここではじめて不安の連鎖を断ち切ることが出来るのです」

 

 

 

 

110621_obata_02.jpg「不安になると記憶の抹消が発生します。不安時は悪夢を見ることが常で、その印象が強ければ強いほど夢を見なかったことにする=つまり記憶を消し去ることで、さも初めから不安が存在しなかったことにして心を守るのです。しかし悪夢の痕跡は残ります。例えば寝汗をかいたり、喉がカラカラに渇いてしまっていたりといったことですね」

 

「不安といえば、幽霊の存在も無視できません。幽霊というものは只そこに居るだけなので本当は怖い存在ではないのですが、それでも見えればビックリしますよね。

幽霊を見てしまう一番の原因は “罪の意識” といわれています。自身の中にある後悔や罪の意識が “罰せられる恐れ” を生み出し、その結果不安になり幽霊を見せてしまうのです」

 

「人間は群れで暮らす生き物ですから、孤独になると不安を生じます。孤独は家族や仲間の喪失だけでなく、自然から切り離された状態でもやはり不安を生み出します。

また住む家を失っても不安を感じますが、これも存在すべき場所=群れを失うことから生じる感情だといえるでしょう」

 

「人間は死後、勾玉の形の如く魂が二つに分かれます。ひとつは魂(こん)といい、“楽しみ” “嬉しさ” “愛する” などのポジティブな感情です。もうひとつは魄(はく)といい、“悲しみ” “恨み” “辛み” などのネガティブな感情ですね。

二つに分かれた魂が辿る運命はいかなるものでしょう。まず、魂(こん)は夢の世界に入り込み身内や子孫を守ります。一方、魄(はく)は水に溶け込み、地下をめぐり、木々に吸い上げられ浄化されるか海に流れ込みます。この観点から見ると無駄に木を切る人が不慮の事故に合ったり、海で考えられない現象に合ってしまうのも魄(はく)が引き起こしていると考えれば辻褄が合います。

ちなみに魄(はく)への対処は祀るのが一番です。ですから海の近くには、戎さんが祀られることが多いのです

 

 

 

 

110621_obata_03.jpg「不安の根を断つ方法として “夢暦(ゆめごよみ)” をつけることをお薦めします」

尾畑先生が簡単に実行できる不安への対処法について述べられました。

 

「悪夢を見ると呼吸が荒くなり、寝汗をかきます。例えば目が覚めたときにドキドキしたり、喉が渇いていたり、手足がしびれる、髪の毛だけが濡れている、などの症状のことですね。これらは “記憶に残さない悪夢” が引き金ですが、文字通り記憶に残らないので思い出すことができません。そこで客観的に自身の状態を把握するための記録ノート=すなわち “夢暦” をつけることをお薦めするのです」

 

「夢暦をつける方法は簡単です。ノートに “日付” “天候” “睡眠の質” “夢の質” “事件” の項目を用意し、各項目に記入していくだけでOKです。期間は新月から始めて次の新月の前日までを一ヶ月とします」

 

「事件の項目には “その日に何があったか” ではなく “その日に知った(気になった)事件” を書き込んで下さい。具体的には “殺人事件があった” とか “知人の葬式があった” などで、そのことに不安を感じたら最後に “不安” と綴って下さい。注意すべき点は、これは夢日記ではないので夢の内容を書く必要はないということです。あくまでも状況と夢の傾向の関連性がわかれば良いのです」

 

「夢暦を続けるうちに “財布を落とした” などのちょっとした事件が起こることもあるでしょう。その時は最後に “不運” と記載して下さい。これも詳細を書く必要はなく、只、不運、もしくは 災い などと明記するだけで結構です。

このようにして夢暦をつけていくと例えば “曇りの日には睡眠が浅く、夢はあまり覚えていない。同じような日が数日続くと不安を感じる事件を耳にした” などの具体例が見えてきます。これを元に夢暦の内容を棒グラフ化すると周囲の状況と不安や悪夢との関わりを知ることが出来ます。そして自身の中に潜む傾向を把握すれば、自分で招き寄せる失敗を回避することも出来るようになるのです」

 

 

 

 

110621_obata_04.jpgここまで不安や対処の説明をされた尾畑先生は、最後の締めくくりとして “不安に対する考え方” について説明されました。

 

「嫌なことが何度も起きる方には幾つかのパターンがあり、その中の一つに “不平不満を口にする” があります。常に 「あれが嫌、これが嫌」と周囲に漏らしていると、それを聞かされた人は 「あなたは嫌なことが起きる人ですね」 という冷たい目で見るようになるので、それがフィードバックされて不安になり、あせりから失敗を繰り返すのです。いわば “自分で不安を招き寄せ、不幸になっている典型例” といえるでしょう。

文字通り “そんな状態は嫌だ” と思えれば、まずは自分を変えてみましょう。例えば会社が嫌で行くのも嫌なら、あえて一番に出社し、皆に挨拶をしてみましょう。自分が変われば相手が変わり、嫌な会社が好きな会社に変わることでしょう。他人は変えられないので、自分を変えるしか方法はないのです」

 

「不安な人は常にあせっているので周りが見えていないことが多いですね。周囲が見えていないと、対人関係で苦労するだけでなく事故に合う確率も高くなることも忘れてはなりません。周囲が見えていないということは、一つ先、二つ先の車の動きが見えていないということですから、予測に基づく危険の回避も出来なくなるでしょう。

大切なことは観察することです。観察することによって瞬間に物事の判断を下せるようになるので、事前に不安や不幸を回避できるのです。

他にも落ち着くための姿勢として正座もお薦めしますね。正座は上半身を正しく保つのにとても有効で、呼吸のリズムも整い、不安を遠ざけてくれます。

また我々播磨陰陽師に伝わっている、播磨御式神内(はりまこしきうち)という武術を習得することによって心と霊力を鍛えるのもよいですし、祝詞をあげることも有効ですね」

 

「自分の未来はこうだ、という思い込みはやめましょう。その根拠のない強い思い込みが不安を呼び寄せます。それよりも昔の記録=古文書を参考にする方が有効だと思います。物事には周期があるので、昔の記録を参考にすれば自分の未来に何が起こるかを周期に基づき予測することができるのです。

次に罪や穢れ(けがれ)を祓うようにして下さい。罪とは悪い行いに対する自覚のことで、穢れとは気を枯らし、命を縮めることです。罪の意識に怯え、自分の命を縮めることで未来に対する不安を招き寄せ、希望が失われるのです。そこで罪や穢れを祓い、気持ちを落ち着かせてから未来を論理的に想像することで不安を取り除き、良い未来を引き寄せて下さい」

 

「海辺で潮の香りを、また靄の立つ神社(境内)の空気を胸いっぱいに深呼吸することもお薦めします。これらの空気を体内に取り込むことで生命が活性化されるのです。命が活性化すれば穢れもなくなり、不安が生じる余地もなくなることを忘れないで下さい。

今日はありがとうございました」

 

最後は尾畑先生によるお祓いで今回の講座は締めくくられました。

 

 

 

 

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